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著者: 米長 邦雄  
記事タイトル: 日本財団と将棋界  
コラム名: みんなの将棋 19  
出版物名: 近代将棋  
出版社名: 近代将棋社  
発行日: 2002/09  
※この記事は、著者と近代将棋社の許諾を得て転載したものです。
近代将棋社に無断で複製、翻案、送信、頒布するなど近代将棋社の著作権を侵害する一切の行為は禁止されています。  
   日本財団とは何者だ。

 雑誌の広告に時々出てくる文字ですが、本名は日本船舶振興会と称します。故笹川良一先生が初代会長。2代目は曽野綾子会長で、笹川良一先生のご子息である笹川陽平氏が理事長。

 評議員議長が米長邦雄。

 財団法人は理事会と評議員会と2つの運営に関する会を設けることが義務づけられています。

 評議員の仕事は、理事の任命と、予算、決算の承認が主たる任務です。

 日本財団の予算は年間500億円近くです。それが正しく使われたかどうかをチェックするのが私の仕事。

 金の使い方は多岐に及びます。その昔、日本将棋連盟が東京の会館を建設したときには当時のお金で1億9310万円を助成金として拠出したのです。関屋喜代作先輩が仲立ちをして笹川良一VS大山康晴の対面と相成りました。何故かその場に私が立ち会っているのです。この時の様子は当時の普及部の機関紙に掲載してあります。

 東京の将棋会館をビルに建て替えるのは将棋界にとっては夢のまた夢の話しだったのです。

 これが実現したのは、なんと言っても大山康晴先生の寄付金集めの熱意に負う処が大です。もうひとつは日本財団の助成金にあったと思います。

 日本財団は、日本将棋連盟への助成金を初めとして、あらゆる方面にキメ細かい支援を行なっています。

 中でもハンセン病制圧運動は、最たるもののひとつでしょう。昔らい病と言われて、差別の原点ともいうべき人類の敵に対して、日本財団が制圧に乗り出したのは、28年前のこと。

 今年度までに計上した総額は272億円。あと5年でハンセン病は制圧出来る状況にあります。

 これは単なる皮膚病の一種だったのです。薬を飲みさえすれば治るのです。この薬を世界中に広め、患者を励まし、病魔を制圧する。

 ようやく5年先の光明が見えてきました。

 日本国内での元患者の施設は15カ所。今では病気の制圧よりも、元患者の人間の尊厳回復のほうに力を注いでいます。

 アフリカやインドにも病院があります。日本財団は抜き打ち調査を行ないますが、薬は行き渡っており、誰かの懐に入っているケースはほとんどありません。現地に調査に行って、一番大切なことは何か。

 それは、通訳の英語や現地話を聞くまでもなく、そばに居る元患者に抱きつき、抱きしめ、親愛の情を示すことなのです。

 多くの人々は家族にも捨てられて、本人自身も手が欠けたり、鼻が無くなったりという形状の人が居ます。この病気は、遺伝ではないかと思われたときもあり、どうして病気が他人に伝染するかもわからないものだったのです。とにかく抱きしめる。これこそが一番わかり合える手段であって、それには言葉も、国籍も何もありません。

 日本財団は、これまで自分たちだけでやって来た成果だけでなく、1人でも多くの人々に関心を持ってもらえるように新しい方策を打ち出しました。

 それが「ハンセン病支援ネットオークション」の呼び掛け運動です。

 これからの支援を、多くの人々の募金によってまかなおうとしたのです。

 インターネットのヤフーオークションでの募金の呼び掛けです。

 例えばボート。将棋に転換すればタイトル戦優勝ということになるのでしょうか。そのレースで被っていたヘルメットをオークションに出す。

 これをファンが競り落とすのです。このヘルメットは20万円の値がつきました。

 それにしてもやはり女性ですね。女性のレースでのレオタードに近いものはその数倍の値段で落札されたのです。

 棋聖戦や王位戦での羽織よりも、女流王位戦での下襦袢の方が数倍高いのかも知れません。

 日本財団は、お金ではないのです。1人でも多くの人たちにハンセン病に対する偏見を無くし、理解を求める運動に切り換えたのです。

 当然、それは社団法人日本将棋連盟にもお願いしました。

 これは評議員議長の私から日本将棋連盟の理事会宛の趣意書を提出したのです。

 せめて100万円、あるいは1千万円の金を集めてもらえないでしょうか。

 社団法人とは別に、日本財団の一員としてならば個人でしますと事前に通知してありますので、ファンの皆様、プロ棋士諸君にお願いします。

 ハンセン病に悩んでいる人々のために一肌脱いでもらえませんか。

 なんでも良いのです。貴方が持っている家宝ともいうべき品をヤフーオークションに出す。

 その前に、次の所へご連絡下さい。

問合せ先・(株)日本レジャーチャンネル営業部事業課
TEL:03?5443?2759
FAX:03?5443?2714

 競り落とされた金額が、そのまま基金として活かされるのです。

 ここで質問があります。

 私は、これまで数多くの優勝カップ、記念品等々を所持しております。

 初めて棋聖を獲得した時の棋聖のカップ。これを売るのは違法でしょうか。その売り上げ金をハンセン病の関係者に寄付するのであれば許されるのでしょうか。

 これを、私のホームページのYW掲示板にご意見をお寄せ下さい。

 ファンや棋界関係者が、どのようにお考えになるかを知りたいのです。

 私個人としては、当然社団法人日本将棋連盟が、かつての恩義に感じて1千万円くらいの金額は用意してくれるものと思っております。それが文化であり、社会貢献の一端を示すなによりの証しだからです。

 今となっては、私自身が同志を募ってのオークション基金をまとめるよりありません。

 貴方も何か金目のものを持っていませんか。是非ご協力をお願いします。

 お金ではないのです。

 志なのです。

 品物を出す人がいて、それを買う人がいて、共に失うのです。売る人は品物を失い、買う人はお金を失う。

 しかし失う以上の大きなものを得る筈。これを惜福といいます。

 それをヤフーオークションで大勢の人々が公認する。

 そこに今度の新しい運動の原点があるのです。

 私が優勝カップを競りに出すことは、将棋に対する冒瀆でしょうか。それとも拍手喝采の行為でしょうか。

 野球界やタレント、漫画家の人たちも参加して下さっております。将棋界もこぞってアマプロ問わずご協力をよろしくお願いします。
 

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