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「発展途上国向け市場対策の研究」の報告書

 事業名 発展途上国向け市場対策の研究
 団体名 日本船舶輸出組合  


■事業の内容

(1) 対象国
 アラブ首長国連邦、イラン、イラク、クウェート、サウジ・アラビア、シリア、トルコの7カ国
(2) 研究事項
[1] 各国における船舶需要
a. 品目別輸出入貿易量の推移
b. 貨物種類別海上荷動量
c. 船種・船型別必要建造需要量
[2] 各国カントリーリスクの研究
a. カントリーリスク諸要因の現状分析(政治・経済リスク)
b. カントリーリスクの将来動向(外貨獲得、債務返済動向)
[3] 各国の総合的市場評価とわが国の市場対策の研究
a. 新造船需要顕在化の動向(船腹拡充計画の動向)
b. 新造船対外発注の可能性(自国建造能力)
c. 対日発注の可能性
d. わが国の市場対策
(3) 各国の総合的評価等
[1] アラブ首長国連邦
 わが国は、同国向け船舶輸出としては、セメントキャリア、サプライボート、木材船等9隻の実績がある。現在、同国向け貿易保険取扱上の制約はないが、同国海運の実情からして、海運政策のプランニングや海事法の整備等の面で積極的に協力していく必要がある。
[2] イラン
 わが国は、イ・イ戦争前に、貨物船、タンカー等7隻を同国へ輸出した実績があり、貨物船については、延払条件であった。また、戦争中には、ドレッジャー、サプライボート等をはじめとする小型船11隻及びリングを輸出した。
 今後は戦後復興の重大要素である石油収入の拡大を担うタンカーの需要が見込まれるが、その購入資金の調達にいささか問題がある。
 現在、わが国の同国に対する貿易保険の対応は、短期案件においては1件当りの金額を制限している。一方、中長期案件については、商談毎にケース・バイ・ケースで対応しているが、巨額な案件については、難しい状況にある。
 従って、NITCが計画しているVLCC商談については、日本へも引合を寄せているが、前記の事情から直接輸出での対応は、今のところ困難である。しかし、同国の対外債務は、比較的少ない事もあるので、近い将来さらに弾力的な対応が予想される。
[3] イラク
 わが国は、同国向けに70年代にタンカー、貨物船、漁船、サプライボート、タグボート、ドレッジャーなど相当量の新造船を全てコマーシャルベースで輸出した実績がある。
 しかし、わが国の貿易保険上の制約(中長期案件は引受停止)から、89年の作業船の入札でも、わが国は苦戦を強いられている。
 従って、同国の対外債務問題が解決するまでは、国際金融機関等のローンに依存する以外に方法はないと思われる。
[4] クウェート
 わが国は、過去10年間において、同国向けにタンカー、タグボート、漁業調査船、診療船、消防艇等16隻の輸出実績がある。
 わが国の同国向け貿易保険の取扱は、特に制限はない。しかし、比較的安定した政治情勢ではあるが、周辺諸国との関係から予断は許されない状況にある。
 なお、KOTCは昨年よりタンカー等の大量発注計画を有しているが、世界的な船価の上昇及び予算との兼合いから計画を縮小せざるを得たくたった。現在の同社の計画では、280,000DWT型VLCC4隻、35,000DWT型プロダクトキャリア2隻、78,000m3型LPG船2隻、10,000m3型エチレン船3隻となっており、年内には発注先も決定する見通しである。
 また、遅れてはいるが、同国最大のShuwaikh港の拡張計画があり、ドレッジャー等の作業船が不足気味であるので、これらの需要も期待される。
[5] サウジアラビア
 わが国は、同国向けに、これまでタンカー、貨物船、タグボート、バージ、海底調査船など10隻前後の新造船及び改造船の輸出実績がある。
 同国向け貿易保険上の制約はないので、直接輸出に伴う船舶金融上の問題はたいものの船員・管理能力などソフト面での制約があるので、輸出形態を含め総合的に研究する必要がある。
[6] シリア
 わが国の同国向け船舶輸出の実績はない。
 また、わが国の貿易保険の取扱は、短期及び中長期案件とも実質引受停止の状態である。潜在的な船舶需要は存在するので、OECF、EXIMからの融資に対する返済が実施されれば可能性はあると思われる。
 また、輸送インフラとしての港湾整備計画もあるため、これらに使用する作業船等の需要も期待できる。
[7] トルコ
 わが国は、70年頃までに約40万DWTの新造船を同国向けに輸出した実績がある。その大半が延払で輸出されたが、同国のリスケ実施に伴い船船もその対象となったため、その後の新造船の引合においてては、貿易保険の制約から成約までに至らなかった。しかし、80年代後半から同国向け貿易保険は条件付きながら再開されているので、制度金融の利用も可能である。
 一方、同国の規制緩和の一環として、船舶購入の資金手当の面でも制約がなくなったので、今後はFOC、リース方式など輸出形態の多様化を検討する必要がある。
(4) 報告書の印刷・配布
[1] 体裁    B5判 90頁 オフセット印刷
[2] 作成部数  300部
[3] 配布先   組合員(全組合員及び各委員)  91部
官庁             28部
関係団体           26部
海運関係(資料提供謝礼)    14部
海外業務連絡会        27部
金融機関           14部
保存活用           100部
■事業の成果

今回の対象国は、旧宗主国等特定国の影響、商慣習・生活慣習の達い、情報不足等による相互間の認識不足から商談の進展に大きな障害となるケースが多い。また、一部の国を除き、わが国からの船舶輸出実績も少ないが、研究の結果、程度の差はあれ船舶の潜在需要は底堅いものがある。それをわが国の受注に結び付けるためには、対象7カ国のうち半数を超える国が累積債務を抱えリスケジュール実施中ないしはカントリーリスクの増加から輸出信用供与に何等かの制限が設けられている現在の経済状態からして、貿易保険の引受け、経済協力、ソフト・ローン、マッチング等を弾力的に運用してもらうのが有効との結論に達した。





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更新日: 2020年9月26日

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