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「超高速船の導入の円滑化に関する調査研究」の報告書

 事業名 超高速船の導入の円滑化に関する調査研究
 団体名 シップ・アンド・オーシャン財団  


■事業の内容

(1) 超高速船の市場性に関する調査
 超高速船の導入分野を、(1)近年急速な経済成長を遂げ、我が国との結びつきがますます強くなり、貿易貨物量が増加傾向にある東アジア主要地域(NIES,ASEAN)と我が国の間の国際輸送分野、(2)超高速船の東アジア地域への導入を考えた場合に、集荷の対象となる東アジア地域の第3国間の輸送分野、(3)我が国の国内幹線輸送(北海道・九州=関東・関西)分野、の大きく3つに分けて経済性の検討を行った。
[1] 我が国を起点とした国際輸送分野における輸送需要の具体化と有効な利用方法の検討
 平成元年度調査では、我が国を起点とした国際輸送分野における超高速船の導入コンセプトとして、「アジア・エクスプレス・システム」が得られ、アジア地域と我が国の間の幹線輸送分野におけるこれまでにあまり例のなかった、航空輸送サービスと海上コンテナ輸送サービスの間隙を埋める新しい高速海上輸送機関としての導入の可能性が高いことが示された。本年度調査においては、輸送需要を定量的に把握し、導入可能性の検討をさらに進めた。貨物需要の定量的な把握のために、通常の海上コンテナ航路を参考にして、超高速船の運航ルートを設定し、また超高速船の速度を50ノット、運賃を航空運賃と海上コンテナ運賃の間として輸送需要を検討した。また、超高速船が既存の輸送機関の中に新たに導入される際の位置づけを把握するために、荷主が輸送機関を選択する時の基本的な考え方を調査した。
[2] アジア地域3国間輸送における輸送需要の具体化と超高速船導入の検討
 アジア地域における超高速船の輸送需要として、アジア地域における3国間輸送への導入、アジア/北米輸送におけるフィーダー輸送区間への導入・並びに日本/欧州間のSEA&AIR輸送への導入、の3点についてそれぞれ潜在的な需要、需要顕在化の条件、今後の検討課題等の検討を行った。また、アジア主要港の現状、荷動き、超高速船導入への対応などについてのヒアリングを含め、現地調査を実施した。
[3] 国内輸送における輸送需要の具体化と超高速船導入の課題
 超高速船の輸送サービスのルートとして、超高速船の特性(港において積替え等のターミナル処理が必要)を考えると、近距離の輸送ではなく、北海道,九州と関東、関西間の長距離の幹線貨物輸送ルートと考えられるため、超高速船の高速輸送サービスのルートとして、国内の幹線貨物輸送ルートについて検討した。
(2) 周辺環境の整備に関する調査
 超高速船の導入を円滑に進めるためには、超高速船需要の具体化等の経済、性検討に加えて、経済性だけでは論議出来ない導入のための周辺環境整備について検討を行う必要がある。よって、国際輸送に飾る相手国側の受入可能性の検討と、超高遠船の高速性をサポートするしくみの検討の2つに分け、それぞれ体制面、技術面の検討を行った。
(3) 超高速船導入へ向けての今後の課題
 上記調査結果をもとに、超高速船導入へ向けて、需要面、運営面、及び技術面の各課題についてとりまとめた。
[1] 需要面の今後の課題
a. 超高速船の導入は、それ事態の事業性だけでなく、我が国を取り巻く経済社会に大きな影響を及ぼしていくと考えられる。特に超高速船を導入することによる我が国企業の海外進出の促進効果や、国際物量における企業の物量行動の高度化の促進効果など、多用な面で社会に影響を与えていくことが考えられる。よって、超高速船の導入が社会に与える影響を広く検討していくことが必要である。
b. アジア第3国間の輸送需要についてさらに検討を進める必要がある。アジア第3国間の輸送需要を具体化し、特に定量的に検討をすることに加え、アジアから北米までの輸送におけるフィーダールートとしての超高速船航路の可能性に更に検討を加える必要がある。
c. 超高遠船の需要をさらに具体化するために、アジア地域の航路に関連した船会社の航路運営の考え方の中に超高速船がどう位置づくかの検討を加える必要がある。
[2] 運営面の今後の検討課題
a.本年度は、需要面を中心として経済性の検討を行ったが、超高速船の運営を実際に行うためには、需要についての検討に加えて、運航費用等についての検討を行い、運航採算-収支見通しの検討をする必要がある。今後は超高速船の収支見通しに基づいて、超高速船の運営面の検討を行っていくことが必要となる。
b. 海上航行の安全性や超高速船港の物理的な条件なども含めて、港湾を具体的に選定していくための基準を明らかにしていくことが必要となる。
[3] 技術面の課題
a. 超高速船の需要を顕在化させるためには、港でのターミナル処理を迅速に行う必要がある。特に国内輸送におけるターミナル処理を1時間程度で行う荷役方式の技術的検討(技術開発)の必要性が明らかになった。
b. 超高速船を実際に運営していくための情報システム(船積み予約システム、カーゴモニタリングシステムなど)の書類処理や事務手続きのシステム化、迅速化が必要である。
■事業の成果

超高速船は、航空機と既存船舶との中間の輸送機関として、将来の海上輸送の高度化に大きく貢献するものと期待されているが、研究開発を効率的に推進し、新たな輸送機関である超高速船の市場への円滑な導入を図るためには、経済的観点から超高速船である超高速船に要求される諸条件や導入に際し必要となる周辺条件を明確にし、これに対応した船舶の開発、周辺環境の整備を進めることが重要である。本年度は平成元年度調査結果を踏まえ、超高速船の需要を具体化し、有効な利用方策を検討すること、及び周辺環境整備についての検討を行うことを目的に実施した。
 超高速船の経済性(輸送需要)について3つの輸送分野に分けて検討を行った結果、需要を顕在化させるためには、ターミナル処理時間などについての条件が必要ではあるが、国際輸送分野、国内輸送分野とも、毎日1便の超高速船航路を運営するのに十分な潜在需要が存在することが判明した。さらに、超高速船航路運営に際しての収入の試算を行った結果、国際輸送よりも国内輸送分野において、超高速船1隻あたりの売上が高く(1日1往復可能)見込むことができた。以上のことから、国際輸送においては、海外港湾との調整をなどが必要であることから、導入に際してはまず、国内輸送分野への導入を検討し、次に韓国・台湾、更に台湾ルートを延長するかたちで、香港、シンガポールへ導入していくことが妥当であると指摘した。また、超高速船の円滑な導入へ向けて必要な、需要、運営、技術の各項日についてそれぞれ具体的な課題を明確にすることができた。これら本年度の調査結果は今後の当該調査の基礎資料として大きく貢献できるものであり、造船関係産業の発展に資するものとなった。





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更新日: 2020年4月4日

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