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「東京湾海上交通へのモーダルシフトの推進に関する調査」の報告書

 事業名 東京湾海上交通へのモーダルシフトの推進に関する調査
 団体名 シップ・アンド・オーシャン財団  


■事業の内容

(1) 海上輸送へのモーダルシフトのための基本要件の検討
[1] 東京湾岸地域における物流の現状
 東京湾岸地域における物流の現状を把握するため、一般貨物輸送及び外貿コンテナ輸送について文献及びヒアリング調査により取扱貨物、流動量、流動状況等を調査した。また転換可能性が高いと思われる廃棄物輸送についての実態も併せて調査し、ごみの流れ、焼却残灰量の推移、焼却処理量、清掃工場の建設計画等について把握した。
[2] 新海上輸送システムの利用者ニーズの検討
 海上輸送へのモーダルシフトに対するニーズの動向と新海上輸送システムの利用条件を把握するため、アンケート調査を実施した。一般貨物については、東京、神奈川、千葉、埼玉のJR貨物を利用している荷役企業972社、対象地域及びその周辺地域に立地する一般及び特別積合わせ貨物運送業314社を調査対象とし、コンテナ貨物については、外貿コンテナ船社28社、及びコンテナリース会社25社を対象とした。調査の結果、輸送方式、運航形態、利用可能性区間等、海上輸送システムに求める条件について明確になった。
(2) 海上輸送システムの基本構想の検討
[1] 海上輸送の運航条件の検討
a. 対象貨物量の推計
 全国貨物純流動調査データ及び港湾統計資料等により一般貨物、外貿コンテナの対象貨物量及び対象コンテナ数を算出し、それをもとに海上転換可能個数を推計した。
b. 運航(利用)条件の検討
 実態調査及びa.の対象貨物量の推計をもとに海上輸送システムの運航(利用)条件を整理した。
[2] 海上輸送システムの検討
 上記(1)〜(2)の検討結果をもとに、一般貨物輸送、コンテナ輸送及びごみ焼却灰輸送について、それぞれの輸送方法、輸送ルート、船舶・荷役設備等輸送システムを検討した。
[3] 海上輸送システムの経済効果と採算性の検討
 貨物別、ルート別の輸送効率の向上度、陸上交通混雑緩和への貢献度等の社会的効果についての検討を行った。また、貨物別、ルート別の海上輸送システムとトラック輸送とのコスト比較による採算性や、時間比較等利便性について検討を行った。
[4] 海上輸送システムのイメージの検討
 これまでの検討により必要とされる要件を満たす船舶の主な仕様を定め、各船舶の基本設計を行い、さらにシステム全体のイメージ図を作成した。
[5] 海上輸送システムの問題点と課題
 当該システムの将来的な問題点、課題について整理し、それぞれの解決方策について検討を行いとりまとめた。
 検討の結果、社会的な効果として、一般的貨物については千葉県〜神奈川県の貨物車685台が海上輸送システムに転換すると想定した場合、両地域間の貨物車交通の45%が減少し、貨物車輸送量の12.2%を担うことになることが想定された。またコンテナについては東京港〜横浜港間の陸上輸送されるコンテナの約12%〜15%を分担することになり、システム本来のねらいである陸上交通混雑緩和が期待できる結果となった。一方、輸送コストの海上輸送と陸上輸送との比較では、海上輸送は一般貨物で33〜51%程高くなるが、時間は最大で90分と大幅な節約となったが、コンテナについては、コストは割高で、しかも時間的なメリットはほとんどないことが判明した。よって経済的な海上輸送コスト実現のためには、省力化した新しい荷役方法の開発公的な助成措置の検討も必要であると指摘した。
■事業の成果

近年物流を取巻く環境の変化として、構造的な労働力不足やディーゼル車により排出されるNOx等の環境問題、或いは都市部における道路混雑等の物流に対する制約要因が顕在化してきている。これらの要因に対処しつつ、一層の効率的な輸送を推進していくためには、トラック輸送に偏重している物流の現状を貨物特性、輸送距離、輸送量等を踏まえ、可能なものについては、鉄道・海運といった大量輸送機関ヘシフトを図り、トラックのオーバーロードを緩和する必要がある。
 よって、本調査では首都圏の東京湾岸関連地域の物流の現状からみたトラック輸送の海上輸送ヘシフトの可能性のある輸送形態の抽出とともに、海上輸送システム化の諸条件整理を行い、対象輸送形態のシフト予測、海上輸送システムの将来像・経済効果等について調査・検討の結果、新海上輸送システムとしてモーダルシフトの対象となる一般貨物・コンテナ及びごみ焼却灰における輸送方法、輸送ルート、船舶、荷役設備、輸送能力等について概念設計を行うことができた。特にこみ焼却灰の輸送に関しては、焼却灰輸送の河川利用を可能とする新しい輸送手段としてスラリー輸送(粉流体を水に混ぜて送る方式)システムを提案することができた。また、海上輸送と陸上輸送のコスト比較等、海上輸送システムの経済効果と採算性の検討では、海上輸送の時間的・経済的な問題点が明らかになり、これはこれからの海上輸送へのモーダルシフトを考える上での貴重な基礎資料と産業の発展に寄与するものと思われる。





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更新日: 2020年4月4日

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