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「鋼板の自動3次元曲げ加工システムの開発」の報告書

 事業名 鋼板の自動3次元曲げ加工システムの開発
 団体名 シップ・アンド・オーシャン財団  


■事業の内容

(1) 加熱曲げ加工方法の調査
 造船各社における工場の諸条件、状況、整備、加熱曲げ加工の方法、問題点等についてアンケートを作成、配布、回収を行い、内容の集計、とりまとめを行った。加熱曲げ加工の方法について工程・加工方法は各社ともほぼ同様の考え方で施工されていることを把握した。

(2) 自動加熱曲げ装置の開発
 加熱の自動化に最適な熱源及び板の局面に対して精度良く加熱トーチが走行できる倣い制御方式の選定を行い、数値制御によるティーチングプレイバックの可能なガントリー式直行型自動加熱装置を開発した。
[1] 熱源の調査及び選択実験
 実用性、経済性から選択したガス、アーク加熱の2方法について能力比較実験を行った結果、ガス加熱が効果的であったため、熱源はガス加熱を採用した。
[2] 加熱トーチ倣い制御方式の選定
鋼板曲傾斜面に対して加熱トーチ高さを一定とさせる倣い機構に使用する倣いセンサーとして接触式、非接触式を検討した結果、接触式が最適であることから採用した。また、倣い機構は装置コストと性能比較を行うため、垂直上下リンク機械制御方式と2面角電気制御方式の2種類を設計・製作した。
[3] 自動加熱装置の設計・製作
 [1]の熱源、[2]の倣い機構を搭載し、板の傾斜曲面にマーキングされている加熱ライン及び加熱指示(線状、ウィーピング、三角焼き、渦焼き等)をスポット、ITVでセットし、簡単な押しボタン操作で装置ヘティーチングし、プレイバック及び装置外部との動作プログラム入出力が可能となるべき自動加熱装置の設計・製作を行った。

(3) 自動計測装置の開発
 加工中、加工後の曲がり確認に使用している「木型」に代わる板の3次元計測手法、計測センサーの選定を行い、自動加熱装置と組み合わせて、計測データを出力させる3次元自動計測装置を開発した。
[1] 曲面の3次元計測手法の選定
 生産設計情報及び木型データを入手し、1/10の加工材模型を製作した。計測手法確立のため、加工材模型を計測できるミニチュア計測装置とソフトウェアを設計・製作し、計測速度と測定値の精度を実験により調査した。
[2] 計測センサーの選定
 レーザー変位計の測定精度、応答性を検討し、本装置に適用可能であると判断した。[1]のミニチュア計測装置に搭載し性能確認を行った。
[3] 3次元自動計測装置の設計・製作
 自動加熱装置との非共用部分であるZ軸(上下軸計測ブロック)の設計・製作を行い、動作ソフトウェアは[1]で製作したものと実験結果をベースに改良し完成させた。

(4) 委員会の開催
鋼板の自動3次元曲げ加工システムの開発委員会  2回
■事業の成果

(1) 加熱曲げ加工方法の調査
 加熱曲げ加工についてアンケート調査を行った結果、現状作業の工程、方法、道具、年齢構成は各社ともほぼ同様で、勘と手作業による作業実態であった。よって本研究開発の内容は各社の現場へ適用可能であると確認できた。
各社平均の加熱曲げ枚数、工数/枚は、
VLCC    総加工枚数   878枚  工数  4,182MH
冷間加工枚数  437枚  能率  2.66MH/枚
熱間加工枚数  441枚  能率  6.83MH/枚
経験年数  20〜30年 52%
5〜19年 23%  初心者と熟練者の差が大きい
1〜 4年 25%
 尚、アンケートで得た各社の曲げ型の種類、代表的な曲がり外板の曲げ加工作業手順例は加熱曲げ加工作業者のマニュアルとし、また、第2段階での曲げ、計測のパターンデータ作成の基礎データとする事ができた。

(2) 自動加熱曲げ装置の開発
a. 熱源
 性能・コストから現状の手作業で使用されている線状加熱バーナーが適していることが判断できた。現状の熱源を使用することにより、第2段階の開発で設定する加熱条件は手作業のものをそのまま利用できる利点がある。
b. 卜ーチ倣い制御
 熱源と鋼板表面との距離を保持する為、上下、2面角自動倣い制御を使用しなければならない。鋼板曲面落差を検出するためには、接触式センサー(機械式)、非接触式センサー(電子式)があるが、熱源からの熱影響、冷却水の影響に耐えられるものは、前者の接触式センサーであると判断できた。また、倣い方式として鋼板の傾斜面に対して加熱トーチを直角保持できる2面角電気制御方式と低コストの垂直上下リンク式の2方式を開発し、両者とも実現にいたった。
c. 自動加熱装置
 鋼板に作業者が加熱箇所を指示したマーキングを遠隔操作により読み取り、即加熱NC制御プログラムを発生させる加熱運転できるティーチングプレイバック方式の自動加熱装置を設計・製作し、良好な性能を得た。加熱方法は線状、ウィーピング、三角焼き、渦焼き等があり、板厚、曲げ量によりそれぞれ大きさが異なり、ティーチングに時間を要するため、パターン化、NCマクロによるパラメトリック処理を行い、高速度ティーチングを完成させることがでさた。他にティーチングにより発生したプログラムの外部出力、オフラインティーチングにより発生したプログラムの入力等も可能とした。

(3) 自動計測装置
 鋼板の曲がり量の確認に使用している「木型」に代わる板の3次元自動計測装置を開発するには、多点の計測速度と計測点の計測精度が重要をポイントとなる。本研究開発では、1/1O加工材模型及びミニチュア計測装置と制御ソフトを試作し、繰り返し実験を行い、レーザー変位計の極限動作計測精度を求めることができた。
計測極限応等速度 : 0.5m/Sec
計測精度     : ±1mm以下
 c.の加熱装置のティーチングプレイバック機能と共用させるため、Y軸移動台に計測専用のレーザー変位計を取り付けたZ軸制御装置を搭載し、指定された計測点移動をNC制御で動作させ、計測値を出力させる高速3次元計測装置を完成させることができた。尚、本装置は加熱装置と同様、オフラインティーチングによる外部入力にも対応でき、第2段階の研究開発に必要なハードウェアは完成し、良好な成果を得た。
 以上の結果から、本事業の成果は、造船技術、造船関連技術の向上及び我が国造船業の発展に寄与するものと思われる。





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更新日: 2020年4月4日

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