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「舶用燃料電池に関する調査研究」の報告書

 事業名 舶用燃料電池に関する調査研究
 団体名 シップ・アンド・オーシャン財団  


■事業の内容

(1)舶用燃料電池システムの高性能・高出力化に関する調査研究
[1] 各種燃料電池の性能および効率向上のための調査
 現用のディーゼル機関と各種燃料電池の効率および重量・体積等について文献調査を行い、出力、効率、重量、体積およびNOx,SOx、振動、騒音等の環境影響について比較検討を行った。
[2] 燃料電池の高性能・高効率化に関する特性調査
a.電池本体の研究
 電極有効面積50c平方メートルの単セルを用いて、電解質膜の種類、電解質膜の厚さ、運転温度、運転圧力等各種特性試験を行い、高性能、高効率化の可能性についての調査を行った。
(a)電解質膜の種類の検討
 国内外の3社の電解質膜により単セルを作成し電流−電圧特性を調査した。
(b)電解質膜の厚さの検討
 電解質膜の厚さを3種類(80、120、160μm)変えた単セルを作成し、電流−電圧特性を調査した。
(c)電池運転温度の検討
 単セルの電池運転温度を70、90、110℃に変えた試験を行い、温度特性を調査した。
(d)電池運転圧力の検討
 単セルの電池運転圧力を0.1MPaから0.5MPaまで変えた試験を行い、圧力特性を調査した。
(e)燃料ガス種の検討
 単セルの運転燃料ガスをメタノール改質ガス組成および水素と酸化剤として空気および酸素を使用した試験を行い、ガス特性を調査した。
b.付帯装置の研究
 燃料改質系、空気供給系、電力変換系、補機等の周辺システムの小型計量化および効率向上についての調査を行った。
(a)周辺システム機器の高効率化の調査
 電池本体以外のシステム周辺機器の高効率化について調査を行った。
(b)システムフローの高効率化の調査
 燃料電池の排熱利用についてシステム計算を行い、燃料電池システムの高効率化について調査を行った。
(c)燃料電池本体の小型計量化の調査
 電池本体のセパレータ、締め付け板等の軽量化の検討を行った。
(d)周辺システム機器の小型軽量化の検討
 燃料電池周辺システムについて、従来のオンサイト型からバス塔載等の移動用システムの設計思想を取り入れた小型計量化の検討を行った。
(2)海外における燃料電池開発状況の調査
 ヨーロッパの各種燃料電池の開発状況について調査を行った。
調査先:
・ENC(Energieonderzoek Centrum Nederland)、オランダ ペッテン
・KFA(Forschumgszentrum JuIich GmbH)、ドイツ ユーリッヒ
・SWB(Sclar−Wasserstoff−Bayern)、ドイツ ノインブルグ・フォン・バルド
・Siemens社、ドイツ エアランゲンおよびミュンヘン
・第4回グローブ燃料電池シンポジヴム、イギリス ロンドン
■事業の成果

燃料電池が船の推進用動力源として現在のディーゼル機関にとって代わるためには、熱効率および重量、容積、燃料の取扱いや入手の容易さがディーゼル機関と同等か優れている必要がある。
 本調査では、出力1,000kW以下の小型内航船を対象とした推進用動力源として、固体高分子型燃料電池(PEFC)を選定し、在来のディーゼル機関との熱効率および重量、体積等について比較検討を行った。また電解質膜の種類・厚さ、運転温度・運転圧力、燃料ガスの種類等を変えた特性試験を行い、燃料電池本体の効率向上となる各種条件について調査を行った。また、空気ブロア等の周辺機器の高効率化、小型軽量化の検討および環境への影響等の調査を行い、固体高分子型燃料電池システムの最適運転条件を策定し、舶用燃料電池システムの効率向上策についての開発課題などをとりまとめた。
[1] 現状のディーゼル機関の熱効率は、10,000PS以上では約50%に達するが、本調査で対象とした小型内航船用の500PS程度では、熱効率は約40%である。出力密度は、300kW級のディーゼル機関では重量出力密度79kW/t、体積出力密度36kW/平方メートルである。
[2] 燃料電池は本体効率が50%を上回り、周辺装置を含めたシステム効率は40%を上回る。中でも固体高分子型燃料電池は、他の燃料電池と比較すると出力密度が高く、船舶用として最も適している。
[3] 固体高分子型燃料電池の効率向上の可能性について各種特性実験を行い、メタノール/空気を反応ガスとした条件において、電解質膜の厚さ:80μm、運転温度110℃、運転圧力0.35MPaの運転条件で、燃料電池本体効率が67%を上回る見通しを得た。
[4] この結果を基に、取扱いが容易で将来供給システムが整備されることの期待できるメタノールを燃料とした燃料電池システム(100kW級)について、システム効率および小型軽量化の検討を行った。効率にはターボ・ブロアの効率が大きく影響し、小型軽量化には配管、架台が大きく影響することが判った。それらの改良、見直しにより、システム効率49%、重量出力密度21kW/t、及び体積出力密度14kW/m3の見通しを得た。
[5] 水素−空気及び水素−酸素の場合には、熱効率がそれぞれ57%、65%となり、重量出力密度、体積出力密度もそれぞれ38kW/t、28kW/m3と51kW/t,45kW/m3となる見通しを得た。





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更新日: 2020年4月4日

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