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日本の献体四十年

 事業名 篤志献体の普及啓蒙
 団体名 日本篤志献体協会 注目度注目度5


献体40周年に寄せて

 

東海大学医学部

 

本学医学部は昭和49年4月の開設以来、白菊会からの献体会員を受け入れると同時に東海大学医学部に直接献体の申し出をされた方々の登録を開始した。
これらの篤志家の方々の献体によって本学の解剖学教育は大きな支援を受けてきた。
そもそも『解剖』という言葉は一般の社会の人々にとっては決して馴染みのある対象とはいいにくい。病院で死亡された場合の『病理解剖』でさえ遺族の了解を得ることは、そう容易なことではない。まして医学教育のための『解剖』は別の世界の出来事のように受け止められたとしても無理のないことであろう。
いわゆる新設医学部・歯学部の発足にあたり、まず最初の大きな障壁と考えられたのは、いかに解剖実習のための解剖体を確保するかという問題の解決であった。本学においてもその点は全く同様である。
白菊会は関東地区を中心として解剖体の確保に全国的に大きな役割を果たしたが、本学もその恩恵を受けたことは勿論である。しかし献体団体の登録者のみで解剖実習の必要体数を満たすことは、当時としては到底不可能であった。
そこで神奈川県下の医学・歯学の大学は、神奈川県解剖体運営協議会を結成して、関係官庁・施設との密接かつ強力な連絡を図り、解剖学教育への齟齬がないよう強力な活動を展開してきた。この会議体の果たした役割もまた実に大なるものがある。
献体法が成立してから10余年の歳月を経たが、解剖用の遺体の入手は次第に順調となってきた。これは解剖学に携わる関係者の社会に対する地道な啓蒙への努力が実を結んで、解剖に対する重要性の認識が深められ、また解剖に対する偏見が改められた結果であろうと考えている。それにもまして、白菊会をはじめとする多くの献体団体が永年にわたって続けてきた地道な献体活動が、大きな原動力となっていることを忘れることはできない。
いつの時代にも現代から過去を振り返ると、隔世の感を伴うことが多い。東海大学医学部の開設当初わずか7名からスタートした献体登録制度も、途中何度も紆余曲折はあったものの現在では総数1,900名を超え、これらの登録者のうちすでに献体を実行された方々は353柱となった(1996年5月現在)。また、ここ数年は入会希望者が殺到し、年間新規入会者の制限や登録予約制度を導入するなどの新たな問題も浮上してきた。医学教育における解剖体がすべて篤志献体者によって支えられるという、解剖実習にとっては理想とも言える時代が到来した。
医学生は献体者の遺体による解剖実習を経験することによって、人体の構造を理解するばかりでなく生命の神秘とその尊厳、医の倫理を体得する。このことは、医学生が解剖実習終了後にまとめた感想文からもよく理解できる。医学が人の生命を対象とする限り、解剖学は今後とも学生に生命への畏敬の念を指導する役割を担うであろうし、篤志家の献体活動も発展していくと信じている。
なお、本学では医学教育の原点ともいうべき解剖学教育を支えてくださった諸霊への追悼と感謝を捧げるため、毎年秋に解剖慰霊祭を行なっている。解剖慰霊祭の形式は特定の宗教儀式にとらわれない無宗教の式典となっている。式次第は医学部長の慰霊の詞、学生代表の慰霊の詞、慰霊の歌、献花、講話といった内容になっている。
(形態学部門)

 

 

 

 

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