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うみのバイブル第3巻(米国海軍・シーレーン・海洋地政学入門に関する基礎的な論文)

 事業名 公海の自由航行に関する普及啓蒙
 団体名 国際経済政策調査会 注目度注目度5


ぼします。南シナ海が封鎖されると出口がなくなるタイ、ベトナムやカンボジアのような国が、経済的な影響力だけでなく、政治的影響力から、いつでも自由であることは、日本にとっても大切なことです。

 

また、東南アジアの繁栄と独立は、日本にとって非常に大切であり、国益にかかわることは言うまでもないことですから、何かあったときに何もしないのか、あるいは、何かするならば、どうすべきか、また、米国とどうしたら協力できるかを議論する必要があると思います。

 

米国の関心は3年ほど前から、南シナ海の航行の自由の維持にありますが、日本は米国の立場に賛成し、支持しなければなりません。しかし、現実には、いまのところは米国と協力する体制にはないのです。ですから、今後、どういう形で協力するか、どういう場合には日米協力が必要であるかを考えて置かねばなりません。

 

マラッカ海峡の場合は、日本はすでに最低限の経済的な援助をしていますが、いざという時に、海峡の航行の自由をどう守るかを議論する必要があります。

 

具体的には、機雷を除去することですが、現在の日本の姿勢ではやるとはいっていません。しかし、能力的には出来ないことではないのですから、将来、日本がやると決めた時に、どこまでやるのか、また米国との協力はどうなるのかを議論すべきだと思います。

 

そこから先はインド洋です。ソ連海軍が弱体したので、航行の自由をさまたげる国はなくなりました。しかし、有事の際にはタンカー一杯の石油は大財産です。本当の有事のさいに、タンターが国家あるいは海賊に脅かされたとき、それを守の仕事を、現在は、米国に全部たのんでいます。しかし、将来もこのままいくのでしょうか。すでに1970年代、80年代にさんざん言われたことは、米国がパトロールして守っているのは全部日本の船だということです。「どうして俺たちが日本の船を守らなければならないのか」という不満はいつでも爆発するでしょう。日米関係を良好にするには、日本の姿勢をどの程度直す必要があるのかを議論べきでしょう。

 

とくに日本の政治経済が脅迫に対して脆弱であることは考慮に入れる必要があります。ホルムズ海峡近くに潜水艦―隻の脅威があるだけで、日本の船は全部止るでしょう。さいごに、ペルシャ湾岸の話になります。ここでは、航行の自由を守るという問題と、湾岸諸国の政治的、軍事的緊張にどう対処するかという2つの要素が含まれます。この場合も、主たる責任を負うのは米国です。

 

ただし湾岸諸国の石油の最大の消費国は日本であり、東アジア諸国です。恩恵を一番こうむっている日本が、相応の犠牲を払う必要はないのか。もし犠牲を払うならば、米国側は、日本の将来の協力のなかで、何をもって一番評価するかということを考える必要があります。米国側がまず期待するのは掃海艇の派遣でしょうが、日本はすでに法律的にはクリアーしています。しかし、クリアーしたのは平時での派遣のみです。当然要求されるであろう戦時の派遣問題はまったくクリアーしていません。

 

この議論を最大限まですすめると、どうなるでしょうか。湾岸戦争の時に、多国籍軍側は地上攻撃機を結集してイラクの戦車を破壊しました。日本が将来持つF2は非常に高性能の地上攻撃機ですから、米国は当然欲しがることでしょう。日本が現在の束縛を突破するためには、どういう問題があり、それらの問題はクリヤーされるべきかどうか、そこまで、徹底的に考えて欲しいと思います。ここまでの課題を全部考えれば、シーレーンの問題、すなわち将来における公海の自由航行をいかに維持するかの問題にこたえることになると思います。(以上)

 

Tel:3233-631l Fax:3233-6078 http://WWW.glocomnet.or.jp/okazaki-inst/okazaki-jap.html

 

 

 

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