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米国における軍事技術の舶用工業への転化の実態・調査報告書

 事業名 基盤整備
 団体名 シップ・アンド・オーシャン財団  


1. はじめに

 

軍事技術とは、狭義には兵器生産技術、広義には軍事に関する技術全般を指すが、近代社会にあっては国家の総力を挙げて開発されるのでその技術レベルは高く、かつ、日進月歩であり、民生技術として利用された場合生活の向上に貢献するものも多く含まれる一方、開発目的が戦争の勝利、或いは抑止であるため民生転化が不要なものも多く含まれている。また、軍事技術と民生技術との中間に軍事にも民生にも使えるいわゆる軍民両用技術の分野が広く存在し、軍事技術の海外流失防止を論ずるような場合には兵器及びその関連技術とともに、軍民両用製品及びその関連技術全般が対象となる。

艦艇のごとく兵器システムとして統合されたものは純然たる軍事技術であるが、それを構成する舶用工業製品には高度な軍事機密を伴わないものが多く民生転化そのものに問題はないが、民生転化された後に軍民両用製品として輸出規制の対象となるものは多い。

 

軍事技術の民生転化は人々の生活の向上に寄与するという意味で多いにこしたことはないが、その時々の世界情勢及びそれを受けた政府の政策に大いに左右される。一般的に軍事技術は国民の財産であるという考え方から、開発後ある期間を経て国家安全保障上支障無しと判断された時点で民生化されてきた。

GPSのごとく軍事技術として開発されたものの積極的に民生化されてきた技術もあるが、原子力推進システムのごとく軍事技術として開発され空母や潜水艦の推進システムとして不動の地位を得、商船への適用が各国で試みられたが民生用には不適との結論に達して軍事技術にのみ残っている技術もある。

いずれにせよ、ソ連という強大な軍事大国を仮想敵国としていた冷戦構造が1990年初頭に終結したことは軍事技術や軍民両用技術の秘守事項、秘守相手に大幅な変化をもたらしたことは事実であるが、米国とNATO諸国間での軍事技術の移転すらなかなかスムースに進まない現状は軍事技術の民生転化の持つ問題点の難しさを見せつける結果となっている。

 

1992年11月に生まれたクリントン政権は、冷戦構造終結という世界情勢の激変に対処し数多くの革新的産業科学技術政策を打ち出した。それらは若干の誤算はあったにせよ全体的には好結果をもたらし、米国は史上例をみない長期の好景気を持続し国家財政は黒字に転じ、世界における米国の優位を揺るぎないものにしている。

本報告書では、軍事技術の民生化をメイド・イン・アメリカの世界市場への再進出の一つの柱として捉えたクリントン政権の産業科学技術政策及びその展開を述べることに多くの紙数を割いている。

 

1990年代の始めは冷戦構造の終結で世界情勢は安定していたが、これまで軍事優先を標榜してきた米国製造業が世界市場における優位を日本やドイツに奪われ、その復権が悲願であった時代である。

 

 

 

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