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環境にやさしい船舶と舶用機械設計の実際に関する調査報告書

 事業名 基盤整備
 団体名 シップ・アンド・オーシャン財団  


5. 液体廃棄物関連技術

 

5-1 グレー水とブラック水

 

グレー水の定義が、CWAとIMOでは異なっている。CWAではギャレー、浴槽、シャワーの廃水と定義し、IMOでは皿洗い機、シャワー、ランドリー、浴槽、手洗いからの廃水と定義している。また、CWA、IMO共に船舶の運航に欠くべからざるエアコンの凝縮水、甲板の洗浄水、プールやスパーの廃水はグレー水に含めている。ブラック水はCWA、IMO共にトイレ、病室、生きている動物区画からの廃水及びこれ等との混合水と定義されている。

グレー水は、カナダのような特別地域を除いては無制限に排出を許可されているが、将来は制限が加えられる予定である。ブラック水は、現在CWA、IMO共に12海里以遠では無制限の排出許可、4〜12海里では粉砕あるいは消毒を行う制限付の排出許可となっているが、将来は12海里以内では排出禁止、12海里以遠では制限付の排出許可となる予定である。

なお、船舶が規則の定める性能要件を満たした処理装置を搭載している場合は、海域に関係なく排出が許可される。

 

米海軍は、現状ではグレー水及びブラック水共に一時的に艦内のコレクションタンクに貯溜し陸揚げするか、許可海面で排出している。ある艦種(例えばDDG−51)では、舶用真空トイレットシステム(Marine Vacuum Sewage System: MVSS)を採用し、ブラック水を90%減らしている。MVSSを採用している2艦種では渦巻き焼却炉を搭載し、濃縮されたブラック水を洋上で燃焼している。海軍ではブラック水のバクテリア処理装置を試験したこともあるが、信頼性とメンテナンスの点から不採用に終っている。

グレー水及びブラック水の将来の排出基準はSS 100mg/l以下、BOD50mg/l以下、糞便性大腸菌200/100ml以下と予想されているが、この要求に合致するため海軍では曝気後超分離膜とも称すべき膜技術を組み込んだ艦上曝気膜濾過システム(Ship Aerated Membrane Filtration Treatment System: AMTS)をノーフォーク海軍基地で陸上試験中である。

 

クルーズ船のグレー水は、ホールディングタンクに貯溜して陸揚げするか海洋廃棄されている。また、ブラック水は船内のホールディングタンクに貯溜して陸揚げするか、USCGの承認を受けたMSDで処理して許可海面で廃棄している。MSDは第2-4節で述べたEPA基準に従ってUSCGが定めたブラック水処理装置でタイプI、II及びIIIに分かれているが、クルーズ船は全て長さが65フィート以上なのでタイプII及びIIIのみが対象となる。一方、ブラック水の量が他船種に比して圧倒的に多いので、第3-3節のRCCLのごとく排出海面を4海里よりはるか沖合いとすることが一般化しているようである。

USCGは、定期的にクルーズ船のMSDを乗船検査している。乗船検査で作動不良の疑いを持たれた場合は、船主はMSDからの廃水サンプルを認定されたラボラトリーで検査し、結果をUSCGに報告することを義務づけられている。

 

 

 

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