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環境にやさしい船舶と舶用機械設計の実際に関する調査報告書

 事業名 基盤整備
 団体名 シップ・アンド・オーシャン財団  


5-2 ビルジ油水

 

ビルジ油水の排出基準はMARPOLもCWAも15ppmで海上廃棄後油膜が視認されないことであるが、ビルジ油水を船上に保管し陸上処理する費用は油水1ガロン当たり1ドルといわれ、クルーズ船の場合1週間に平均70トンのビルジ油水が産出されるので、法規に適合した油水分離装置(Oil Water Separator: OWS)を装備するのが一番安上がりな方法である。OWSは、将来の厳しい排出基準(5ppm)を見越して非常に性能の良いものが市場に出回っているが、従来最も広く使われているOWSは水と油の比重差を利用して油水を分離するものである。

 

海軍が現在使用しているOSWは、特殊設計の平行板の上部に集められた油分をホールディングタンクに集め、下方の残留水分は油分モニター(Oil Content Monitor: OCM)でチェックして15ppm以上の場合は再度OWSを通して15ppm以下にして海洋廃棄するものである。OWS/OCMシステムでは、油水の比重差が大きければ大きい程分離スピードは早い。非常に細かい油滴は上昇に時間がかかり、分離時間が長くなる。一般的に温度を高めると油水の分離は早くなるが、油水中に石鹸や洗剤が混入したり過度の機械的攪拌により油分がエマルジョン化している場合は、分離性能が落ちる欠点がある。

 

OSW/OCMシステムの油水分離性能は一義的にはOSWの良否に左右されるが、パイピングシステム、ホールディングタンク等の設計の良否も全体性能に大きく関係する。パイピングシステムには、バルブその他流体の流れを乱し不当な攪拌を起こして油水分離性能を低下させる付属品が多数付いているので、システムの設計には細心の注意が必要である。ビルジポンプは、不当な攪拌を起こさない低シアータイプで、流体中の固体分も容易に移送し、誘い水なしで始動する吸引リフトの大きいものを選ばなければならない。ホールディングタンクは、水流調節、沈殿の役目を果たし、ビルジ油水をOWSに静かに導く機能を持っている。

 

米海軍は高性能油水分離装置の開発に非常に熱心であり、海軍の開発成果を民間が積極的に利用するよう呼びかけている。比重差を利用して油水を分離するOWSの欠点であるエマルジョン化した油の除去困難性を解決し、高性能の油水分離性能を得る方法として海軍が最も力を入れているのは、OWS/OCMにポリッシャー(Polisher)システムを追加することによって、15ppmの基準を上回る性能を示すシステムの開発である。一般にポリッシャーとして使われているものには、微生物、吸着材、超分離膜等がある。

微生物法、すなわち、バクテリアにエマルジョン化した油を食べさせる方法は陸上システムに適用されているが、舶用としてもデモンストレーションされている。このシステムでは、油を食べるバクテリアに常時栄養を与え空気を送らなければならない上、3日に1度は作動状況を正確にモニターする必要がある。

 

 

 

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