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米国における舶用エンジンからの排ガス規制に関する実態調査

 事業名 基盤整備
 団体名 シップ・アンド・オーシャン財団  


5. おわりに

 

舶用エンジンは、自動車用エンジンに比べれば使用期間もずっと長く、エンジンが船体と離れて一人歩きできる条件を備えている。大型船でも、古い船体に新しいエンジンを搭載することもしばしば行われている。レクリエーション用OBエンジンなどは、エンジン一人歩きの代表例である。

船舶では、一人歩きの機器は大部分管轄官庁や船級協会あるいはUL等の検査代行機関の型式承認を受けた機器を搭載しているが、舶用エンジンも排ガス規制がきっかけとなってこのような一般機器と同等の扱いとなり、EPAが型式承認したエンジンを搭載し、搭載後の検査はUSCGが実施する体制となった。

ディーゼルエンジンに対して、USCGは取り敢えずカテゴリー1及びカテゴリー2のエンジンにつき検査体制を整える必要があるが、国際航路船に対するカテゴリー3エンジンの排ガス規制の制定、型式承認及び検査体制の確立にはかなり時間がかかるものと思われる。

 

排ガス規制は、何れも新造船、新エンジン(主要な改造をしたものを含む)を対象としており、在来船は対象外としているが問題がないわけではない。米国政府は、常時船舶を使用して任務あるいは業務を果たしている海軍、USCG、NOAA等のほか、国家非常時の安全保障のため多くの商船を連邦政府所有船としてMARADの管轄下で係船保全している。政府手持ち船のうち最大隻数を動かしているのはもちろん海軍であるが、海軍は海軍蒸留燃料とガスタービンの使用によって排ガス問題の蚊帳の外に置かれている。1999年1月1日のMARAD統計では、178隻の自航国際航路船が上記目的のため国防予備船隊として保全されている。178隻のうち真に国家非常時に即応できると考えられる優秀船は96隻といわれているが、排ガス規制のファクターを無視して優秀船と称しているものである。

国防予備船隊は、国家非常時に関係する事項であるので正式なコメントは出されていないが、4-1節で述べた1993年に発足した政府手持ち船の排ガス対策プロジェクトが国防予備船隊の排ガス問題を今後どのように取り扱うかは興味あるところである。

 

本報告書の主題は舶用エンジンからの排ガスであるが、船舶は建造時から海損あるいは寿命を全うしてスクラップされるまでの一生の間、多くの有害物質を大気中に放出し地球環境を汚染している。

舶用エンジン以外に船舶が関係するインフラストラクチャーやオペレーションで大気汚染と深く関係しているのは、船舶(含ボート)の新造時、改造時、港湾での液体貨物の積み下ろし時、船舶のスクラップ時等である。

 

船舶の新改造については、EPAは従来塗装時に溶剤から出るVOCのみを規制し(61FR30814, June 18, 1996)、サンドブラスト等から出るPM等については造船所が所属する州の規制に任せていたが、1996年より各造船所はHAPsの排出を減らすための最高達成コントロール技術(Maximum Achievable Control Technology: MACT)を利用することを要求されている。

 

 

 

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