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2002年度欧州造船政策動向調査

 事業名 造船関連海外情報収集及び海外業務協力事業
 団体名 シップ・アンド・オーシャン財団  


2.6 EUプレスリリース(2002年9月27日)
不公正造船慣行終結へのEUの呼びかけを韓国拒否
 24日から27日にかけ、韓国造船業の不公正慣行に係る解決策に合意するため、ハイレベル会合が開催された。EU側のヘッドはカール総局長であり、韓国側のヘッドはキム次官であった。合意を見出そうとするEUの努力にもかかわらず、韓国代表団は、本日、そうした合意は産業界の合意が得られないとして、EU提案を拒否した。欧州委員会は、30日の閣僚理事会に報告する予定である。
 
 4日間に渡る短期集中交渉が欧韓造船摩擦の協議解決を目指して行われたが、韓国側代表が、解決策に関して本質的な回答も提案も提示しなかった。欧州委員会(EC)は、数項目の建設的なアプローチを交渉の場に提出したが、韓国側には、協議解決を追求する意思があまり見られなかった。
 
 CESAとしては、市場の平常化に向けた何らかの貢献が韓国側から出されなかったことに対して遺憾の意を表明する。この協議解決不成立によって、韓国側は今後も市場の歪曲を更に継続する、維持不可能なアプローチを継続する意図を示している。
 
 そして最後に欧州造船所各社は、これ以上問題解決を遅らせることは出来ないとするECの決断に感謝し、WTO提訴が不公正慣行を正すことを確信している。
 
韓国をWTO提訴へ
 9月30日に開催された欧州連合(EU)の競争閣僚理事会で、EC貿易担当パスカル・ラミー委員が、韓国との造船摩擦問題をめぐる協議解決交渉が決裂した経過を報告し、同理事会は2002年6月27日欧州閣僚理事会によって採択された欧州委員会(EC)の提案どおり、WTO提訴と暫定造船助成措置を実施することを決定した。
 
 WTO提訴内容が公式に発表される10月20日を目処に暫定助成措置を施行するため、EC内において必要な手続きが開始される。
 
 これを受けて、韓国造船業の不公正慣行に対し、WTO小委員会(パネル)が設立され、以下の条件で暫定造船助成措置が実施されることとなる。
 
 受注契約高の最高6%を助成し、コンテナ船、プロダクト船、ケミカルタンカーを対象とする。
 EC調査報告の結果によってはLNG船も対象となり得る。WTOパネルが結論を出すまでの期間(9月末日から18ヶ月間)を対象とする。
 
 韓国政府は、欧州委員会(EC)代表団との協議において、誠意を以って造船摩擦問題解決を目指し努力してきたが、残念ながら協議解決には至っていない。
 
 ECは、韓国に対して理不尽な船価値上げを要求しているが、韓国のみが世界造船市場における船価を設定できるものではない。このような要求こそ、市場を歪曲するものであり、校正な競争を阻むものである。
 
 これによって欧州造船所に発注が殺到するどころか、日本や中国が受注を更に獲得するようになるであろう。
 
 ECは、韓国造船業が不公正な助成を受けているというが、韓国造船所は単に効率改善に成功しているだけで、助成ではなく近代化と生産性改善に対する投資によって恩恵を受けているのみである。OECDのデータが示すように、韓国造船所は欧州造船所よりも高い生産効率を誇っている。
 
 更に、「EUの造船所は、1994年には既にLNG船新造市場から撤退し、クルーズ船に専念してきたくせに、ノウハウと経験を更新もせずにLNG船受注の増加を期待するのは非論理的である」とし、「1999年から2001年にかけてLNG船価が安定していたのは、韓国が契約期限内に高品質な船舶を引き渡してきたからであって、低船価のためではない」と主張している。
 
 韓国造工(KSA)は、EUと韓国政府が二国間協議を更に重ねることで、状況に沿った船価設定メカニズムを通し、造船摩擦問題を協議解決することを望むものである。EUがWTO提訴する場合は、EU助成制度もまた、WTOパネルで審議されるべきである。
 
韓国のWTO提訴決定
 欧州委員会(EC)は、欧州連合を設立した条約に則り、世界貿易機関(WTO)の後援の下に設立された国際貿易規定に沿って、諮問委員会との協議を経て、韓国造船業による不公正慣行に対して、WTO紛争処理が開始されるべく提訴を行なうことを決定した。
 
経過
 2000年10月24日に欧州連合造船工業協議会(CESA)が、ECに対し、韓国政府からの助成金による韓国造船業の不公正慣行を告発。
 
 2000年12月2日、EU諮問委員会の枠組みにおいて加盟国と協議の結果、公式調査を決定。
 調査対象機関は2000年12月1日から2001年12月31日まで。この結果、輸出信用保証、負債免除(ワークアウト)制度、特別免税措置、負債と株主権の交換制度などを通して、韓国政府が韓国造船所に対して助成を行なっていた事実が判明した。
 
 2001年11月、CESAは、2001年12月31日以降13ヶ月間に亘り欧州造船業が被った被害を調査するようECに依頼。その結果、特にコンテナ船、プロダクト船、ケミカルタンカー、LNG船部門に関し、更なる調査の必要性が証明された。
 
 ECは韓国政府と、造船摩擦問題を協議解決するために話し合いを重ねてきたが、合意に達せず、WTO紛争処理の規定に基づいて提訴を行なわざるを得なくなった。
 
EUは韓国にWTO紛争処理協議を要求
 欧州委員会(EC)は、韓国造船業による不公正慣行に対して、WTO紛争処理メカニズムに基づく協議を正式に要請した。長期にわたって協議解決を目指して二国間協議を重ねたものの、2001年9月30日までに解決できなかったため、止む無くWTO提訴を決定したものである。これを通して韓国側が、早急に造船摩擦問題解決を図るよう期待する。
 
 WTO紛争処理メカニズムに基づく協議要請から60日以内に解決しない場合は、小委員会(パネル)設置となる。
 
経過
 2002年10月19日、ECは韓国に対するWTO提訴決定を発表。ECはWTOに協議要請を行い、これによって暫定保護処置としてのEU域内造船所に対する限定助成が再開されることとなる。
 
欧州委員会(EC)による協議要請
 ECは、商船貿易に影響を与えている政策に関して、助成補償措置(SCM)合意とGATTに基づき、WTO紛争処理協議手順規定(DSU)に沿って、韓国政府に対し、協議を要請する。
 
 ECは、以下の措置によって韓国政府はSCM合意に反する助成を供与していると認識する。
 
 政府の管理下にある銀行を通して、負債免除、負債および利息免除、負債と株主権交換制度によるリストラ助成を行なった。
 ワークアウト制度対象会社に対し、特別減税措置を行なった。
 輸出信用保証制度によって、韓国造船所に対し助成を行なった。
 上記助成はバルクキャリア船、コンテナ船、油タンカー、プロダクト船、ケミカルタンカー、LNG・LPG船、客船、RO/RO船とオフショアユニットを含むその他非客船などの外航商船建造に対して行なわれた。
 上記助成により恩恵を受けたのは、三湖重工、大東造船、大宇造船海洋、現代重工、現代尾浦造船所、三星重工、韓進重工などである。
 
 ECは上記措置がSCM合意違反であると考える。
 
 ECは、韓国政府からの反応を期待し、相互に都合の良い協議開始日時の設定を願うものである。
 
国士交通省プレスリリース
1. 概要
 10月21日、EUは韓国が自国造船業に対しWTO補助金及び相殺措置協定に違反する公的助成を行っているとして、1994年GATT第23条に基づき、韓国に対して協議要請(WTO提訴)を行った。
2. 経緯
 EUは、韓国政府が自国造船業に対し不公正な公的助成を行い、これによりEU造船業が損害を被ったとする欧州造船業協会からのTBR(注参照)提訴を受け、2000年12月以降、TBRに基づく調査を実施するとともに、韓国との間で二国間協議を断続的に実施してきたが、本年9月末に協議が決裂したため、WTOに提訴したもの。
 EUは、本年6月の閣僚理事会で、9月末までに問題が解決しない場合、WTO提訴するとのEC(欧州委員会)の方針を承認している。
注)TBR:貿易障壁規則(EUの域内規則で、外国の貿易障壁に対して、ECに調査権限・交渉権限を付与するもの。EUがWTO提訴する際の域内手続き規則となっている。)
3. EU・韓国造船摩擦で問題とされている韓国の助成措置
韓国輸出入銀行を通じた造船会社への輸出促進金融制度(輸出前融資、前受け金返還保証。(注参照))
政府系金融機関等を通じた経営破綻企業(大宇重工等)へのリストラ助成(債務免除、優遇税制等)
注) 輸出前融資:造船所に対して、輸出向け船舶の建造中資金の90%までを融資、
前受け金返還保証:引渡し前に船主が造船所に支払った建造資金について、引渡し不履行時の返還を保証
4. 今後想定されるスケジュール
2002年11月〜 二国間協議
2003年初〜春頃 パネル設置(二国間協議で問題が解決しない場合。)
2004年春〜夏頃 WTO紛争処理手続き終了
5. 国土交通省の対応
我が国はOECD造船部会、主要造船国との二国間定期協議を通じて、国際造船市場における公正な競争条件確立に努めてきており、問題とされた韓国の助成措置の市場歪曲性についても大きな関心を有している。
このため、WTO紛争処理手続きにおいては第三国参加することとし、パネルが設置された場合には韓国、EUと市場を分け合う主要造船国として、公正な競争条件確立の観点から我が国の意見を提出し、紛争処理結果への反映を図る。
なお、WTO紛争処理手続きにおける二国間協議においては、第三国参加が認められないため、公正な国際造船市場の確立に資する問題解決が図られることを期待しつつ、当面は協議の経過に関する情報収集を図っていくこととする。
WTO協議要請
2002/C257/04
 ECは、2002年10月21日、韓国政府に対し、WTO紛争処理協議手順規定(DSU)に沿って紛争処理協議手続きを開始した。
 







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