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海洋活動マニュアル(カッター・ヨット・カヌー・ロープワーク)

 事業名 団員拡充モデル事業
 団体名 日本海洋少年団連盟 注目度注目度5


3. セールと風の関係
 セールに風を受けて帆走できるのはなぜか考えてみよう。
 風の流れの中で、曲面を持つセール面に作用する力は、流速の大きな風下側とその小さな風上側との差によって生じる揚力と、風が直接セール面に当たることによって生じる風圧力(流れ方向成分を坑力という)を考えることができます。この揚力と坑力との合力をFpとします。
 セールを平板と考える場合には、風上側と風下側の流速に違いがないため揚力の生じることはなく、坑力のみが発生します。
 Fpを艇首尾線方向にF1、正横方向にF2として分解すると、艇を風下側に押し流そうとする力はF2となります。そして、F1は艇首方向の力、すなわち艇を前進させる力(=推進力)が得られることになります。(図3.1)
 カッターの場合、マストがあるためメイン・スルのラフには渦流を生じやすいといえます。
 ジブは、そのセール曲面によって前進力を生じ、それと同時にジブとメンスルの間を吹き抜ける風(スピル(Spill)といいます)により、メイン・スルのラフに生じた渦流を吹き払い、セールに生じる吸引力を益々助長します。このような働きを“スロット効果(Slot effect)”といい、一般的にジブのフットとメイン・スルのフットとの作る角の目安は約15°といわれています。(図3.2)
 
(拡大画像:23KB)
図3.1 帆の生み出す推進力と横力
 
 
(拡大画像:27KB)
図3.2
 
 
4. 帆走艤装(帆走用意)
 号令とその作業手順を示します。
 
(1)展帆(“テンパン”と読む)
:帆走できるようにセールを開くこと
(1)「帆走用意」(Stand by Sailing!)
○帆走艤装作業のため、中央の予備オール2本とボートフックを両側へ移します。
○マスト底部をボルト・ナットで固着しリギンとフォア・ステイをさばきます。
(2)「マスト立て」(Step the Mast!)
○リギンとフォア・ステイで支えながらマストを起こします。
(○マスト・クランプを閉じます。)
○フォア・ステイを張り合わせ、続いてリギンを左右均等に張り合わせます。
(○リギンを左右均等に張り、続いてフォア・ステイを張り合わせます。)
(3)「ジブ用意」(Set Jib!)
○ジブを取り出し、フォア・ステイにジブ・ハンクを取り付けます。
○ジブ・ハリヤードとジブ・ヘッドを連結します。取り付け用のシャックルがない場合、ボーライン・ノット叉はダブル・シート・ベンドを用います。
○ジブ・タックはタック・ラニヤードを使用して、艇首のリング・ボルトに止めます。タックとリング(叉はアイボルト)の距離は約30cmです。
○ジブ・ハリヤードを張り合わせます。
(4)「メイン・スル用意」(Set Main Sail!)
○メイン・スル・ハリヤードをヤード・スリングにボーライン・ノットで止めます。
○メイン・スル・クリューに繋ぐメイン・シートを取るためのブロックを、艇尾ディッキー横のアイボルトに取り付けます。
○メイン・スル・ハリヤードを引き込みながらヤードを一杯に揚げ、ハリヤードをクリートに止めます。タック・ラニヤードを引き込みながら、メイン・スルにシワが入らないようにタックをマストに沿わせて止めます。
○ブレールをもつれないようにさばきます。
 
(2)畳帆(“ジョウハン”と読む)
:セールを畳み帆走艤装を解くことです。
(1)「メイン・スル絞れ」(Brail in Main Sail!)
○メイン・スル・シートを緩めながらブレールを引き込みます。
(2)「ジブ降ろせ」(Down Jib!)
○ジブ・ハリヤードを徐々に緩め、ジブを降ろします。
(3)「メイン・スル降ろせ」(Down Main Sail!)
○メイン・スル・ハリヤードを徐々に緩めながら、ヤードとメイン・セールを艇内に取り込みます。
○メイン・スル・ハリヤードからヤード・スリングを離し、ヤードを外します。
○タック・ラニヤードを解き、タックを解放します。
○メイン・スル・シートを取り込みます。
(4)「マスト倒せ」(Down the Mast!)
○ハリヤードを、マストに巻き付けます。
○マストを人力で保持し、リギンとフォア・ステイを解き、最初にリギンを、次にフォア・ステイをマストに巻き付けます。
(○マスト・クランプを外します。)
○静かにマストを倒し、マスト底部のボルト・ナットを外します。
 
(3)帆走艤装のポイント
(1)リギン、フォア・ステイの張り合わせ方:ラニヤードの固縛方法→図4.1
(2)ジブ・ハリヤードとジブとのつなぎ方:図4.2
 
図4.1
 
 
図4.2
 
 
(3)メイン・スル・ハリヤードとヤードとのつなぎ方:ヤード・スリング
(写真4.1は、トラベラーを自作した場合)
(4)メイン・スル・タックのとり方―タック・テークル使用方法:写真4.2
 
写真4.1 写真4.2
 
 
(5)メイン・スル・シートのとり方―シート・テークル使用方法:図4.3
 
図4.3
 
 
(6)メイン・スル・シート&ジブ・シートのクリートヘの止め方:シート固縛禁止 図4.4
 
図4.4
 
 
(7)ヤード・スリングの取り付け位置
 写真4.3に示すヤード・スリングのヤードヘの取り付け位置は、スロートからヤードの長さの1/3付近を目安とします。実際の場面では、帆走中のメイン・スルの展帆状態を常に点検し、セールにシワが入らない位置とします。
 
写真4.3
 
 
(8)メイン・スル・ハリヤードの引き具合とメイン・スル展帆状態
 メイン・スル・ハリヤードは、メイン・スルの位置をできるだけ高くするように十分に引き込み、帆走中のメイン・スルの展帆状態を点検し、セールにシワが入らないような引き具合とします。
(9)マストの収納方法:図4.5
a. マストを立てたままトラベラー・フックをマストに取り付けたストッパーにひっかけ、メイン・スル・ハリヤードとジブ・ハリヤードを一緒にして張り合わせ、マスト下方で固縛します。
b. 固縛したハリヤードの上からフォア・ステイをマストに巻き付け、ステイ・ラニヤードで固縛します。
c. マストを倒してマスト・ヘッドをトランサムの上に置き、リギンをマストに沿って張り合わせます。続いて、リギン・ラニヤードをハリヤードとフォア・ステイの下方で固縛し、リギンの弛みがないように中央付近ではすにかわしてヤーン(細索)で縛ります。
 
図4.5
 
 
(10)セールの畳み方:図4.6
a. メイン・スルは、ヘッドのレーシングは解かず、ヤードに縛り付けたまま格納します。陸上の広い場所でセールを広げ、最後に縛るときのために、メイン・スルのブレールを引き出しておきます。
b. メイン・スルのクリューを持ち、リーチの上部をヤードに沿わせます。
c. クリューをピークに重ねます。
d. タックを持ってフットをヤードに沿わせます。
e. さらにタックを持ったままでラフをヤードに沿わせます。
f. はみ出した部分を折り込み、各辺のセール端が全部ヤードに沿うようにし、ヤードを直角の一辺とする直角三角形に近い形を作ります。
g. ジブのリーチをラフに合わせ、ヘッドを持って先に畳んだメイン・スルの上にセール端がヤードを沿うように重ね、タックを持ってはみ出した部分を折り込むとともにヘッドを図のように折り曲げ、ジブがあることを示すためにヤード・スリングの所で外に出しておきます。
h. シート及びタックの艤装品を整頓し、ヤードに沿って並べます。そしてセールの中に巻き込み、あらかじめ引き出しておいたブレールで巻き締めます。セールを艇内に格納するときは、右舷側に寄せ、ピークを艇尾に、スロートを艇首に向けて置きます。
 
(拡大画像:31KB)
図4.6







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