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平成15年度 通信講習用 船舶電気装備技術講座(電気機器編、初級)

 事業名 船舶の電気装備に関する技術指導等
 団体名 日本船舶電装協会 注目度注目度5


2・1・3 種類
 船用交流発電機はおもに同期発電機(以下発電機という)が用いられる。同期発電機には次の関係がある。周波数f,回転速度n(min-1),極数pとする。
周波数fと回転数nとは常に同期であることからこのような発電機のことをいう。これに対して,非同期のものは例えば誘導発電機等がある。
(1)用途による分類
(a)給電目的による分類
(i)主発電機
(ii)非常発電機
(iii)補助発電機 (イ)停泊用発電機
        (ロ)集魚灯用発電機等
 (i),(ii),(iii−イ)は主として三相三線式,(iii−ロ)は主として三相四線式(電気装備概論編5-1-2参照)が用いられる。(i)は常用電源,(ii)及び(iii)は臨時電源として用いられる。
(b)据付け方法による分類
 陸上では立形と横形があるが船舶では横形が多く用いられる。また,自励式発電機(後記)では励磁装置が付属されるが,これの据付方法には(i)発電機搭載形〔発電機のフレーム上に乗せたもの〕(ii)別置き形,(iii)配電盤内蔵形があるがおもに(i)が用いられる。
(2)機械的機構による分類
(a)原動力適用による分類
(i)発電機専用の原動機を設けるもの。
(ii)主機を原動力とするもの。
(3)発電機専用の原動機による分類
 蒸気によるものにタービンがあり内燃機関によるものにはガソリン機関,火花点火機関,ディーゼル機関等があるが一般にはディーゼル機関又はタービンが用いられる。
(4)原動機との連結方法による分類
(a)ベルト駆動方式
(b)電磁すべり連結方式
 電磁すべり連結方式は交流発電機を主機により駆動し,しかも主機の回転速度変動に関りなく周波数を一定に保つ場合に使用される(2.1.6主軸駆動発電装置(3)(a)渦電流接手方式参照)。
(c)直結駆動方式
(i)フレキシブル直結
(ii)リジット直結
 ベルト駆動は次のようなときに用いられる。
(イ)小形船などで主機と充電発電機をベルト連結し蓄電池を浮動充電して用いる場合
(ロ)小形漁船では主発電機及び集魚灯用発電機を主機駆動する場合
〔備考〕ディーゼル機関のような内燃機関と発電機などの回転機とを直結して運転する場合には,これらのエンジンは各気筒の周期的な爆発力によって運転するため軸にねじり振動の起振トルクが加わり一回転中に角速度が速いところと遅いところが生じて様でないので角速度変化があまり大きくならないように,はずみ車を設ける必要がある。また,ねじり振動の起振周波数が発電機軸系の構造によって決る軸系自体の自然振動周波数(自然振動の周期に一致した回転速度を危険速度という。)と共振を起すと軸系を破損させる恐れがあるので,これを避けるため内燃機関製造者と発電機軸系の構造及びはずみ車効果について協議する必要がある。さらに交流発電機は電磁気的及び機械的諸定数によって決る固有振動数をもっており,これが機関の起振周波数と共振すると電気的,また,機械的に好ましくない影響を与えるので,これを避けるため,はずみ車の効果を適当に選定する等の方法をとる。
(5)軸受の設定位置による分類
(a)両持軸受
(b)片持軸受
 発電機の両側に軸受を設けるものを両持軸受,発電機の片側(原動機と直結側)に軸受がなくて原動機の軸受に依存するものを片持軸受という。
片持軸受の特徴は,
(i)軸方向の寸法が短かくなる。
(ii)エンジンと発電機を直結したとき発生するねじり振動を安全値以内とするため発電機の軸を太く短かくするときによい。
 
図2.4 軸受設定位置による分類
 
図2.5 軸受支持構造による分類
 
(6)軸受支持構造による分類
(a)エンドブラケット形
(b)ペデスタル形
 発電機の両端カバーに軸受を設けたものをエンドブラケット形といい,発電機本体と別個に軸受を設けたものをペデスタル形という。
 エンドブラケット形はペデスタル形に比し次の長所がある。
(i)軸方向の長さが短い
(ii)価格が安い
(iii)運搬,据付が容易である。
(7)軸受構造による分類
※スリーブ軸受,平軸受(プレーンベアリング)とも呼ぶ。
 
(a)ころがり軸受
 玉軸受ところ軸受とある。玉軸受にはグリースの補給を必要とする開放形とグリースをベアリング内に詰めて封をした封入形又は密閉形とがある。
(注:封入形と密閉形とはシールド板の材質,構造が異なっているが目的は大体同じであるので,以下両者を封入形と呼ぶ。)
 最近の小容量発電機では,殆んど封入形が用いられる。
(b)すべり軸受
 一般に二つ割形で小容量機にはオイルリング給油方式を,大容量機には強制注油式が採用される。
(8)発電機の保護形式と冷却方式
 外被の保護形式と冷却方式の選定は発電機の環境条件の影響と構造形態の決定に密接に関係する。JEM1274-97(船用交流発電機)では次に示すものが規定されている。
(a)外被の保護形式
(i)保護防滴形(IP22)
(ii)全閉防まつ形(IP44)
(b)冷却方式
(i)自由通風形(IC01)
(ii)入口管通風形(IC11)
(iii)出口管通風形(IC21)
(iv)両側管通風形(IC31)
(v)外被表面冷却形(IC411)
(vi)取付熱交換器形(IC611)
(vii)水冷式取付熱交換器形(IC81W)
 以上のように多種類のものが規定されているが,最も多く使用されているのは保護防滴形と自由通風形の組合せによるものであり,一方,水冷による場合は,全閉防まつ形と水冷式取付熱交換器形(IC81W)の組合せによるものが一般に用いられる。
(9)回転子による分類
(a)回転電機子形
 主電源用の交流発電機としては現在使用されてないが,ブラシレス交流発電機の励磁機用として使用されている。
(b)回転界磁形
 船用交流発電機は回転界磁形が用いられ突極形及び円筒形のものがある。円筒形と突極形は性能面ではほぼ同等であるが,保守整備の面で突極形の方がすぐれているので,現在では一般に突極形が用いられる。ただし,高速大容量のターボ発電機に対しては,強度上すぐれている円筒形が用いられている。
 
図2.6 突極形回転子
 
図2.7 円筒形回転子







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