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国際海事情報シリーズ77 米国における次世代水上交通システム構築に関する調査

 事業名 造船関連海外情報収集及び海外業務協力事業
 団体名 シップ・アンド・オーシャン財団  


刊行によせて
 当財団では、我が国の造船関係事業の振興に資するために、競艇交付金による日本財団の助成金を受けて、「造船関連海外情報収集及び海外業務協力事業」を実施しております。その一環としてジェトロ船舶関係海外事務所を拠点として海外の海事関係の情報収集を実施し、収集した情報の有効活用を図るため各種調査報告書を作成しております。
 
 本書は、社団法人日本舶用工業会及び日本貿易振興機構が共同で運営しているジェトロ・ニューヨーク・センター舶用機械部のご協力を得て実施した「米国における次世代水上交通システム構築に関する調査」をとりまとめたものです。
 関係各位に有効にご活用いただければ幸いです。
 
2004年2月
財団法人 シップ・アンド・オーシャン財団
 
はじめに
 「モーダルシフト」という言葉を御存知でしょうか。陸上の交通渋滞を緩和し、また、地球温暖化の防止を図るため、物流手段を、トラック輸送からよりエネルギー効率の良い鉄道輸送や水上輸送に誘導しようというものです。このモーダルシフトについては、日本でも大分前から国土交通省が取り組んでいますが、これは何も日本だけの取り組みではありません。特に、単位貨物輸送量当たりのエネルギー消費量が少なく、インフラ整備によって輸送容量の拡大が比較的容易な水上交通システムについて、その環境負荷を更に小さくするとともに貨物輸送におけるモード別の分担率を高めることは、日本のみならず世界共通の課題となっています。欧州や米国、そしてAPEC(アジア太平洋経済協力)でも、陸上のトラック輸送を代替するShort Sea Shipping(短距離水上交通)の活性化と普及促進のための取り組みが進められています。
 
 内陸国である米国ではありますが、現在でもトン・マイルベースで20%弱の貨物輸送が水上輸送に依存しており、国際貨物輸送においても、日本や中国等はいうに及ばず、地続きのカナダやメキシコとの間でも多くの貨物が水上輸送されています。これを支える米国の水上交通システム(MTS; Maritime Transportation System)は、国際貿易においては便宜置籍船が殆どですが、国内輸送は、非自航のバージを含め41,800隻の米国籍船(1999年末。100総トン以上)が担っています。また、コミューターフェリーによる水上交通についても、年間輸送人数が5,000万人を超えるNYや同2,500万人のシアトル、さらにはボストン、サンフランシスコ等大都市では市民の通勤手段として十分機能し、その利用者は増加しつつあります。
 
 一方、米国では、2020年までに倍増すると予想されている国際貨物輸送や国内貨物輸送需要に対処するため、MTSはどのような役割を担うべきか調査が行われ、MTS2020という報告書に取りまとめられました。現在米国議会では、SAFETEAと呼ばれる今後6ヵ年の新しい交通インフラ整備法案の策定作業が進んでいますが、その中ではトラック輸送の過剰な増加を抑制し、交通渋滞に伴う経済的損失や環境負荷の低減を図るべく、MTSの近代化を含めたマルチモード輸送活性化のためのインフラ整備に資金が投入されることになっています。さらに、米国内のMTSは通常の低速バージによる輸送容量が過剰となっている半面、真に陸上交通の受け皿となり得る利便性を備えたMTSが不足していることから、ミネタ運輸長官は、SAFETEA法案の次の交通インフラ整備法案策定に際しては、関係省庁、産業界が参画して21世紀の輸送需要に対応した次世代MTS構築のための包括的な長期プラン(SEA-21)を策定すると述べており、米国運輸省海事局(MARAD)等が中心となって進めている現在の次世代MTS構築の取り組みはその一部となるものと期待されています。
 
 このような米国における次世代MTS構築に向けた取り組みについては、その一部については米国固有の経済、社会、インフラ等の事情を踏まえたものといえますが、多くは水上交通が大きなロジスティックス・チェーンの一部として有効に機能していくための普遍的な課題を与えているものと思われます。本調査では米国における次世代MTS構築へ向けた取り組みについて、その背景や経緯、目標、そして具体的なプロジェクトについて取りまとめました。日本の舶用工業界は主として日本国内において外航船向けの機器を供給していますが、内航船向けの機器市場もまた重要です。本資料が、諸方面における日本のMTS活性化方策検討の一助となれば、そして舶用機器メーカの方々が日本のMTSを担う将来の内航船用機器、システム検討をされる際の一助となれば幸甚です。
 
ジェトロ・ニューヨーク・センター 舶用機械部
Director 吉田 正彦
Assistant Researcher 上野 まな美
 
略語解説
AAPA
American Association of Port Authorities 米国港湾協会
ACTA
Alameda Corridor Transportation Authority アラメダ回廊輸送公社
AIS
Automatic Identification System 自動船舶識別システム
AIWW
Atlantic Intracoastal Waterway 大西洋沿岸内水路
AWO
American Waterways Operators 米国水路運送者協会
CCF
Capital Construction Fund 資本建造基金
CCT
Columbia Coastal Transport LLC コロンビア沿岸輸送会社
CCDOTT
Center for Commercial Development of Transportation Technology 運輸技術商業化センター
CDS
Construction Differential Subsidy 建造差額助成
CIRIS
California Inter-Regional Intermodal System カリフォルニア地域間インターモーダル・システム
CSCL
China Shipping Container Line チャイナ・シッピング・コンテナ・ライン
CWA
Clean Water Act 水質浄化法
DARPA
Defense Advanced Research Projects Agency 国防先端技術計画局
DHS
Department of Homeland Security 国家安全保障省
DOC
Department of Commerce 商務省
DOD
Department of Defense 国防総省
DOT
Department of Transportation 運輸省
ECDIS
Electronic Chart Display and Information System 電子海図表示情報システム
EPA
Environmental Protection Agency 環境庁
ETA
Expected Time of Arrival 予定到着時間
FAST
Freight Action Strategy for Seattle Tacoma Corridor シアトル・タコマ地区貨物輸送回廊
FBDP
Ferry Boat Discretionary Program フェリーボート任意プログラム
FCC
Federal Communications Committee 連邦通信委員会
FHA
Federal Highway Administration 連邦ハイウエー庁
FHTF
Federal Highway Trust Fund 連邦ハイウエー信託基金
FTA
Federal Transit Authority 連邦交通庁
FTAA
Free Trade Area of the Americas 米州自由貿易地域
GDP
Gross Domestic Product 国内総生産
GIWW
Gulf Intracoastal Waterway メキシコ湾沿岸内水路
HTMF
Harbor Maintenance Trust Fund 港湾維持信託基金
HSFA
Harbor Service Fund Act of 1999 港湾サービス基金法
ICMTS
Federal Interagency Committee for MTS 連邦政府MTS委員会
ICT
Information and Communication Technologies 情報コミュニケーション技術
ILA
International Longshoremen's Association 国際沖仲仕協会
ILWU
International Longshore and Werehouse Union 国際沖仲仕倉庫組合
IMO
International Maritime Organization 国際海事機関
INS
Internal Naturalization Service 移民局
ISTEA
Intermodal Surface Transportation Efficiency Act of 1991 インターモーダル陸上輸送効率法
ITS
Intelligent Transportation System インテリジェント交通システム
IWTF
Inland Waterway Trust Fund 内陸水路信託基金
LPG
Local Planning Group 地域浚渫計画グループ
MARAD
Maritime Administration (運輸省)海事局
MOU
Memory of Understanding 覚え書
MTS
Marine Transportation System 水上交通システム
MTSA
Marine Transportation Security Act of 2002 2002年海上交通安全保障法
NAC
National Advisory Council 国家諮問会議
NIMA
National Imagery and Mapping Agency 国立地図院
NOAA
National Oceanic and Atmospheric Administration 国立海洋大気圏庁
NOS
National Ocean Service 国家海洋局
NSRP
National Shipbuilding Research Program 国家造船研究プログラム
NWS
National Weather Service 国家気象局
ODA
Ocean Dumping Act 海洋投棄法
ODS
Operational Differential Subsidy 運航差額助成
PIDN
Port Inland Distribution Network 貨物内陸配分ネットワーク
PMA
Pacific Maritime Association 太平洋海事協会
PORTS
Physical Oceanographic Real Time System 海洋物理量リアルタイム・システム
PTS
Positive Train Control 列車積極制御技術
RIS
River Information Service 河川情報サービス
RDT
Regional Dredging Team 地域浚渫チーム
RHA
River and Harbor Act 河川港湾法
SAFETEA
Safe, Accountable, Flexible, and Efficient Transportation Equity Act of 2003 2003年安全、責任、フレキシブル及び効率的交通整備法
SIC
Standard Industrial Classification 標準産業分類
SLSDC
Saint Lawrence Seaway Development Corporation セントローレンス水路開発公社
SSSI
Short Sea Shipping Initiative 短距離水上交通イニシアティブ
STB
Surface Transportation Board 陸上交通委員会
TEA-21
Transportation Equity Act for the 21st Century 21世紀へ向けた交通整備法
TMS
Traffic Management System 交通マネージメント・システム
TTW
Tennessee-Tombigbee Waterway テネシー・トムビッグビー水路
USACE
U.S. Army Corps of Engineers 米陸軍工兵隊
USCS
U.S. Custom Service 米国税関
USDA
U.S. Department of Agriculture 農務省
USCG
United States Coast Guard 沿岸警備隊
VTS
Vessel Traffic Service 船舶交通管制サービス
WSF
Washington State Ferry ワシントン州フェリー公社
WTA
Water Transit Authority サンフランシスコ湾水上交通局
XML
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