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国際海事情報シリーズ78 米国における舶用ベンチャーの事業化支援制度に関する調査

 事業名 造船関連海外情報収集及び海外業務協力事業
 団体名 シップ・アンド・オーシャン財団  


4-6. CCAT(Center for Commercialization of Advanced Technology)
 CCAT(Center for Commercialization of Advanced Technology)
 (http://www.ccatsandiego.org/index.shtml)は、議会の支持と国防総省(DoD)の資金によって運営されている、学界、産業界、政府による官民共同パートナーシップである。参加パートナーは、SDSU(San Diego State University)Foundation及びEntrepreneurial Management Center、UCSD(University of California, San Diego)Jacobs School及びUCSD CONNECT、そしてORINCON Technologies Inc.である。その他に、San DiegoのSpace and Naval Warfare Systems Centerの支援も受けている。CCATはコンソーシアム方式で運営されており、技術開発者と、国防総省や民間市場の間の掛け橋となることをめざしている。
 
(支援の対象)
 CCATは、商業的なニーズとDoDのニーズの両方に対応するDual useテクノロジーのベンチャーを開発することを目的としている点で、従来の技術移転プログラムとは異なる。
 
 CCATプログラムでは、事業サービスと開発サービスという2種類の異なる助成金が提供されている。
 
(1)事業サービス:その技術の市場と事業可能性の全体を明確に示し、適切な市場に狙いを定めて事業計画を作成し、金融機関や産業界のパートナーに技術を紹介して、新興企業または新製品の開発を促進するサービス。申請者は、市場調査または事業計画開発サービスに申し込み、技術のニーズやその市場/事業の可能性に応じて、1つ以上のサービスを受けることができる。
(2)開発サービス:具体的な用途を満たすために技術開発をさらに進展または完了するために資金と技術サポートを提供するサ−ビス。このサービスを受けられるのは、応募者のうち非常に有望な技術の開発者だけである。各助成金の上限は75,000ドルである。開発サービスは、1)開発、2)プロトタイプ作成、試験、評価の2種類に分かれている。
 
(重点分野)
 現在、CCATは、ミサイル防衛と危機/事後管理(国土防衛)の支援という2つの広範な技術分野を優先課題としている。具体的な重点分野は次のとおりである。
 
ミサイル防衛:
レーザー通信、高速光データリンク、RF(高周波)フォトニクス、高性能軽量信号処理、軽量アンテナ、CDMA(符号分割多重接続)スペクトル拡散モデム、太陽光発電及びIR(赤外線)センサー等
 
危機及び事後管理:
脅威危機検知、生物化学攻撃対策、法執行機関の調整、災害救助医療、シミュレーション及びトレーニング、自動プランニングツール、エキスパートシステム、事後復旧、シームレス通信、及び遠隔医療
 
(成果)
 2001年7月から2003年6月までに、このプログラムは8回の募集を行い、377の申請書が提出された。この期間にCCATの執行委員会は、62の企業、大学研究者、政府技術者に対する107件の事業化助成金(合計800万ドル以上)を承認した。
 
(成功事例)
(1)UCSD−デジタルテレビューア
 CCATは、群集のなかで人の顔を検知し追跡する自動化システム、デジタルテレビューアの開発に関して、UCSDに75,000ドルの製品開発助成金と市場調査を提供した。
 この監視システムは、UCSDのCVRR(Computer Vision and Robotics Research)研究所が開発した高度なコンピュータアルゴリズムを使用し、インテリジェントに情報をやりとりする360度カメラのネットワークとリンクしている。このプロジェクトの研究責任者は、分散インタラクティブビデオアレイ(DIVA)と呼ばれるトラフィック監視用のマルチカメラシステムを開発した。
 その後、開発チームは、TSWG(Technical Support Working Group)から助成金600,000ドルを獲得し、この革新的な360度カメラ監視技術の開発をさらに続けている。
 
(2)Intecon Systems
 2001年にCCATが提供した初期市場調査と75,000ドルの製品開発助成金を得て、Intecon Systemsは革新的な生物/化学剤除染技術(Binary Ionization Technology(BITTM))の開発を進め、さらに実用化のための研究資金約500万ドルをTitan Corporationから獲得した。Titanは、この技術に関して、購入オプション付きで2年間の独占ライセンスを獲得している。
 
(3)Bio-Quant
 Bio-Quant社(http://www.bio-quant.com/home.html)は、CCATから75,000ドルの製品開発助成金を得た。同社はこの助成金を利用し、炭疽菌診断キットの開発を完了し、米国食品医薬品局(FDA)の予備承認を得ている。既にResponse BioMedとのライセンス契約が完了し、現在この炭疽菌診断技術は、米国陸軍を支援するために中東/ペルシャ湾周辺に配備されつつある。
 
(2003年の募集)
 第3回CCATプログラムは、2003年4月に、産業界、教育研究期間、政府研究所を対象として、募集が開始された。提出された申請書数は合計111件で、そのうち産業界からは100件、政府研究所または政府の知的財産のライセンスを受けた企業からは7件、教育研究期間からは4件であった。
 
 申請書の半数以上がSan Diego以外の機関からのもので、カリフォルニア州以外の機関からの申請書は全体の37%であった。
 
 CCATの評価とパネルプロセスの結果、執行委員会が決定した助成金支給概要は次のとおりである。
・助成金28件(市場調査16件、製品開発助成金12件)
・助成金獲得機関18か所(新規17か所、再獲得1か所)
 
 助成金を獲得した企業及び組織の代表的な技術セクターは次のとおりである。
・情報技術/コンピュータ/ソフトウェア
・通信
・ミサイル防衛
・センサー
・探知器
・MEMS(Micro-Electro-Mechanical Systems)
・環境監視
 
 助成金を獲得した企業、大学、政府研究所は以下のとおりである。
 
組織 技術 助成金
Pacific Microwave Inc. 戦術的危機管理用の見通し外(Non-Line-of-Sight)での携帯型デジタル無線ビデオ伝送 市場調査
UC San Diego 半導体電解吸収型光変調器の開発 市場調査及びPDTE助成金
Quantum Magnetics Inc. 現場スキャニング用爆発物探知システム PDTE助成金
Inventis 新型ミクロ細孔探知機による生物兵器の探知 市場調査
M-Vision Inc. 港湾及び国境安全保障のための人間探知システム 市場調査及びPDTE助成金
UC San Diego 構造・熱管理用のベリリウム代替材料 市場調査
Crossflow Systems Inc. Crossflo Systemsのデータ交換を利用した法執行機関の間でのデータ転送 市場調査及びPDTE助成金
Parity Computing 国家安全保障やバイオテロ対策上の必要が発生した際に、第1対応者として召集可能な科学者、専門家のメタプロファイリング及び検索 市場調査
Parallax Biosystems Inc. 生物兵器探知に使用できる標識の必要のない分子プローブ(生体機能を探るために人工的に創られた分子) 市場調査及び研究開発助成金
STAR Cryoelectronics 磁気イメージングアプリケーション用高性能超伝導体/半導体ハイブリッドセンサー PDTE助成金
SoftMax Inc. スペクトルデータ分析用高度信号処理及び分類ツール 市場調査及び研究開発助成金
Kelly Space & Technology Inc. バイオマスガス発電 市場調査及びPDTE助成金
UC Riverside 携帯型テロ対策CWAバイオセンサー 市場調査及びPDTE助成金
SPAWAR Systems Center San Diego 深層水と表層水の中間領域の水及び汚染物質の移動の評価に関連した手法/製品 市場調査及びPDTE助成金
SPAWAR Systems Center San Diego ダイレクトプッシュ型土壌ビデオイメージングシステムを使用した地底トンネル及び飲料用深層水の検出 市場調査
Naval Undersea Warfare Center 堅牢な自動化分類・決定支援 市場調査
SPAWAR Systems Center San Diego MEMS(Micro-Electro-Mechanical Systems)超高感度加速度計 市場調査及びPDTE助成金
SPAWAR Systems Center San Diego 化学物質検出用のSERSベースのセンサー 市場調査及びPDTE助成金
 
参考資料
・Small Business Administration、『Small Business Innovation Research Policy Directive; Notice』、官報/Vol. 67、No. 185/2002年9月24日火曜日
・『Department of The Navy SBIR/STTR Successes』 2001年
・Ship Operations Cooperative Program、『An Industry Government Partnership to Enhance the U.S. Maritime Industry- Year 2003 Program Description』、2003年1月
・Center for Commercialization of Advanced Technology、年次報告書2003
 
主なWebサイト
・海軍省、SBIR/STTRホームページ
 
・DTIC (Defense Technical Information Center) SBIR技術情報
 
・NBIA (National Business Incubator Association)
 
・海事局(MARAD)
 
・中小企業庁(SBA)
 
・国防技術情報センター
 
・CCAT (Center for Commercialization of Advanced Technology)







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