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平成17年度 セキュリティ強化の環境下における貿易手続簡易化特別委員会報告書

 事業名 セキュリティ強化に伴う貿易手続簡易化措置に関する調査研究
 団体名 日本貿易関係手続簡易化協会  


1.3 欧州施策
1.3.1 欧州連合の運輸政策
 欧州連合では、1990年代以降、港湾物流の円滑性・迅速性によって欧州の国際競争力向上を図るために、主にコンテナの自動識別システムと貿易取引等の情報化における運送状況情報を連携させる必要性を指摘しており、サプライチェーン全体の最適化、港湾物流の円滑性・迅速性・効率性を向上させるために、海陸連携部分の港湾・鉄道、港湾・道路間の連携施設の高速自動化の検討を行うと共に、その情報化による情物の流れの同期化を検討してきた経緯があります。
 情報通信技術では、電子データ交換(EDI)、移動体通信システム(衛星通信、携帯電話、無線LAN等)、自動識別システム(バーコード、電子タグ等)の活用が考えられています。
 本実験は、技術開発プロジェクトの一環であって、その実験成果が直接実用化されるわけではありません。しかし、現在検討されているセキュリティ対策にみられる要素技術の多くを含んでおり、かつ、実用上の効果や課題を把握することができます。
 
1.3.1.1 欧州連合アクションプランの概要
 インターモーダル輸送は、輸送サービスの質および信頼性の向上のために行う輸送手段のより良い統合を目指しています。これは主に、種々異なる輸送手段間の協力拡大を基にしています。この協力は、既存の輸送能力を最適利用し、輸送需要バランスを改善すると考えられています。
 したがって、インターモーダル輸送は、持続的な貨物輸送の重要な促進要因の一つです。それはインフラ・サービスの利用効率を改善し、環境に優しい輸送方法を構築すると考えられています。
 欧州連合アクションプランの主要施策は以下のとおりです。
 
(1)多様な規制の調整等によるドアツードア・ネットワークの構築
 インターモーダル(ドアツードア)輸送の効率性は、異なる輸送手段の相互連絡性・相互運用性を高める高性能のインフラに大きく左右されます。このため、輸送構造計画へのネットワーク・アプローチが求められます。汎欧州輸送インフラ・ネットワークは、このようなシステム・アプローチの強化を目的としています(例 市場分析、規制緩和、輸送時刻表調整のための電子会議等)。
 
(2)ドアツードア輸送に関わる取引情報・輸送情報ネットワークの拡大
 インターモーダル輸送需要は、産業部門のロジスティクス需要によって決まります。インターモーダル輸送がサプライチェーンの潜在的付加価値部門であると考える荷送人は多くありません。このため需要が低迷しています。需要を喚起しインターモーダル輸送を利用者に魅力あるものにするためは、ロジスティクスの付加価値拡大の障害要因とその可能性を明らかにしなければならないと考えられています(例 リアルタイム電子商取引システム、荷物追跡システム、ペーパーレス輸送等)。
 
(3)輸送用機器等の規格化
 種々の市場部門のニーズ、輸送手段の特徴、国内規制の違いにより、インターモーダル輸送向けの多種多様な出荷単位が生じています。このため、摩擦から生じるコストが高くなっています。この活動の目的は、出荷単位の統一プロセスの促進です。グローバルな貿易の重要性に鑑みて、国際基準の策定・開発が必要であると考えられています(例 小型標準コンテナ:ロジスティクスボックス規格等)。
 
1.3.1.2 欧州ITS
 1997年にベルリンで開催されたITS世界会議のテーマは「万人のためのモビリティ」であり、 そこではITSが、自動車分野としての乗用車、バス、トラックだけでなく、移動に関わる鉄道、水運、航空までの全ての交通機関を含めた統合された交通システムとして捉えられており、安全や環境を維持、向上させるための運輸交通分野への情報通信技術の適用と位置づけられています。
 欧州のITSアーキテクチュア、カレンと、その貨物輸送版であるコメッタでは、貨物輸送システムの効率性、迅速性、安全性の向上といった目標のもとに、ロジスティクス(受発注・取引層)、運行管理および貨物管理の3層構造が示されています。
 欧州ITSでは次のような具体的な港湾ITSでの実験が行われました。
 
表1.3.1  欧州連合における海運・港湾情報化関連の主な実験プロジェクト
名称 概要
CombiCom 輸送計画と運行状況のリアルタイム照合、計画から乖離した場合の警告メッセージ送信。分散データベース間の連携、自動車両識別技術の活用(コンテナISO10374、鉄道UIC推奨技術を適用)。
COREM 海陸連携の迅速化に関わる実験。運送会社のトラック到着予告情報に対して、ターミナル運営会社が、ターミナルアクセスの可否情報を返信する。1時間160台、1日800台のトラックの出入管理に適用し、到着時刻に合わせた迅速なコンテナ移動システムの有効性を検証。
InterPort 複数港湾間での電子タグ識別/データ交換実験。複数メーカのタグの利用、アンテナ設置場所(ゲートやクレーン等)、多様な機種による実験を行い、港湾管理における機能上の有効性を検証。物的形状にもとづくタグ損傷、盗難、落下等を課題として指摘。
FAMAS 1万TEUクラスの船舶のコンテナ積卸しの高速処理
PortCommunity 港湾EDI情報(運送依頼、予約、危険物情報等)に関わるウェブEDI
The Incomaas ロッテルダム港湾関連コンテナ輸送に関する調査研究
PACT 複合一貫輸送に関する調査研究
MARS インターモーダル機関選択及び影響評価シミュレーション開発
(資料)
(1) OECD Seminar on Prioritization of Multimodal Transport Infrastructure, May 13-14, 1996, The Netherlands
(2) OECD Conference on Inter-modal Transport Networks and Logistics, June 3-5, 1997, Mexico
(3) OECD/ECMT, Combined Transport-Hearing of Combined Transport Organizations and Companies, 1995


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