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平成17年度 セキュリティ強化の環境下における貿易手続簡易化特別委員会報告書

 事業名 セキュリティ強化に伴う貿易手続簡易化措置に関する調査研究
 団体名 日本貿易関係手続簡易化協会  


3. 国際貿易の安全確保及び円滑化のためのWCO基準
3.1. 税関相互の協力の柱
 税関当局は、貨物及びコンテナーの積荷が国際貿易システムの網の目に沿って流れて行くよう、国際貿易サプライチェーンの安全確保及び円滑化を最大化するために、共通かつ受入れられた基準に関し協力的に作業を行わなければならない。税関相互の協力の柱は、この目的を達成する。テロ及びその他の国際組織犯罪の影響に対し、国際貿易サプライチェーンの安全確保のための効果的な仕組みを提供する。
 
 伝統的に、税関当局は、貨物が自国の港に到着したところで検査を行う。今日では、コンテナー又は貨物が到着する前に、選定し検査を行う能力があるべきである。税関当局の特有の権限及び専門性の観点から、税関当局は、国際貿易の安全確保及び円滑化に貢献する。
 
 この柱の中心となる理念は、ハイ・リスクなコンテナー又は貨物かを特定するための事前電子情報の使用である。電算化された絞込みツールを使用することにより、税関当局は、仕出港において又はそれ以前のサプライチェーンにおける出来るだけ早い段階で、ハイ・リスクな積荷を特定する。
 
 電算化された情報交換のために、規定が作成されるべきである。システムは、それゆえに標準化されたメッセージに基づき、互換性を持つべきである。
 
 効果的かつその過程が貿易の流れを減速させないように、税関当局は、ハイ・リスクな積荷を検査するために近代的科学技術を使用すべきである。この科学技術は、大型X線装置、ガンマ線機器及び放射線検知機を含むが、これに限られるわけではない。近代的科学技術の使用を促進することにより、貨物やコンテナーの規律を維持することもまた、この柱の重要な構成要素である。
 
 特に、改正京都規約(RKC)、統合されたサプライチェーン管理(ISCM)ガイドライン、国内プログラム2 から引用することで、WCO「枠組み」に参加する税関当局は、柱13を標準化する。
 
2 多くの場合において、「基準の枠組み」、特に技術的事項は、これらのソースから直接得られている。
3 「基準の枠組み」柱1にかかる技術的事項は、附属書1に提示されている。
 
3.2. 柱1 基準
基準1−統合されたサプライチェーン管理
 統合されたサプライチェーン管理に関するWCO税関ガイドライン(ISCMガイドライン)に概説されているように、税関当局は、統合された税関管理手続きに従うべき。
 
基準2−貨物検査権限
 税関当局は、当該国から、積出され、離れ、通過し(積荷状態のままを含む)、又は積替えられる貨物を検査する権限を有すべき。
 
基準3−検査機器における近代的技術
 非破壊検査(NII)機器及び放射線検知器は、可能な場合にはリスク評価に沿って、利用可能であり、検査を実施するために使用されるべき。この機器は、貿易の流れを阻害することなしに、迅速にハイ・リスクなコンテナー又は貨物を検査するために必要である。
 
基準4−リスク管理システム
 税関当局は、潜在的にハイ・リスクな積荷を特定するためのリスク管理システムを確立し、そのシステムを電算化すべき。システムは、危険評価の認証、絞込みの決定、ベスト・プラクティスの明確化のための仕組みを含むべき。
 
基準5−ハイ・リスク貨物又はコンテナー
 ハイ・リスク貨物及びコンテナーの積荷とは、ロウ・リスクと考えるには情報が不十分であること、戦術的な情報がハイ・リスクを示していること、又は、安全確保に関連したデータ要素に基づいたリスク評価手法が、ハイ・リスクとして特定しているような積荷を言う。
 
基準6−事前電子情報
 税関当局は、時間内に十分なリスク評価を実施するために、貨物及びコンテナーの積荷に関する事前電子情報を必要とすべき。
 
基準7−絞込みとコミュニケーション
 税関当局は、共同の絞込みや選定のために、標準化された一連の絞込み基準の使用、互換性のある伝達手段及び/又は情報交換の仕組みを準備すべき。これらの要素は、将来における監視の相互認証システムの構築を支援する。
 
基準8−達成度指標
 税関当局は、審査された積荷の数、ハイ・リスクとした積荷の数、ハイ・リスクな積荷の検査の実施数、非破壊検査技術によるハイ・リスクな積荷の検査数、非破壊検査技術及び物理的手法によるハイ・リスクな積荷の検査数、物理的手法のみによるハイ・リスクな積荷の検査数、通関時間及び検査の該非結果数を含む、しかしこれらに限定されるわけではない、達成度指標を有する統計的な報告を維持すべき。これらの報告はWCOにより集約されるべき。
 
基準9−安全評価
 税関当局は、国際サプライチェーンにおける物品の動きに関する安全評価を実施するために、そして特定されたギャップの迅速な解決にコミットするために、他の管轄権を有する当局と共に取り組むべき。
 
基準10−職員規律
 税関当局及び他の管轄権を有する当局は、職員規律における腐敗の防止、違反の明確化及び対処のための計画を必要とすることを奨励されるべき。
 
基準11−輸出安全検査
 税関当局は、輸入国の妥当な要請により、ハイ・リスクなコンテナー及び貨物の輸出安全検査を実施すべき。
 
3.3. 税関と民間とのパートナーシップの柱
 各税関当局は、国際貿易サプライチェーンの安全確保に民間セクターを関与させるために、民間セクターとのパートナーシップを構築する。この柱の主な焦点は、サプライチェーンにおける民間セクターの役割に照らし、高度な安全保証を提供する民間企業を特定するための国際システムの構築である。これらの民間のパートナーは、迅速な業務処理及びその他の措置の形で、そのようなパートナーシップを結ぶことによる目に見えるベネフィットを享受すべきである。
 
 “サプライチェーンの安全確保を強化し、国際貿易の流れを円滑化するためのWCOメンバー及び民間産業界間の協力的取極めのためのハイレベル・ガイドライン”からの以下の記述は、国際貿易の保護にもう一つの層を加える際の税関と民間との重要な関係を要約している:
 
“サプライチェーンに対する脅威を評価し対処するために、税関が貿易業界におけるパートナーを信頼出来る程度によって、税関が直面するリスクは軽減される。それゆえに、サプライチェーンの安全確保を向上するための検証可能な意思を表明する企業はベネフィットを受ける。このようにリスクを最小化することは、税関の安全確保の機能を発揮し、正規貿易を円滑化するために税関を助けるものとなる。”
 
 このようなプログラムは、民間セクターを取込み、原産地、例えば、積出地で海外製造業者がコンテナーに積込みを行う地点において強化した安全性を要求することによって、コンテナーはサプライチェーンを通してある地点からある地点へと輸送されるので、貨物及びコンテナーの安全確保をサプライチェーンの枠内に留めることとなる。
 
 「枠組み」は、サプライチェーンにおける民間が、安全確保のパートナーとして認定された地位を得ることが出来る基準を規定する。このような基準は、脅威評価、評価された脅威に対する安全確保の計画、コミュニケーション計画、異常な又は記録されていない物品が国際サプライチェーンに入ることの防御措置手続き、積込み又は保管場所に使用される建物及び施設の物理的な安全性、コンテナー及び貨物や輸送手段の安全性、個人の身元調査、情報システムの保護のような問題を扱う。
 
 検証する又は認定する参加者の優先事項は、輸入量、安全性に関する異常事項、特定の地理的地域が抱く戦略的脅威、又はその他の安全性に関する情報を含む、多くの要因によって決定されることが出来る。どの要因を重要視するかの決定は、状況の進展に基づいて必然的に変わっていく。
 
 民間のパートナーが、認定された事業者の地位になることで享受出来る最低限のベネフィットに関する一般取極めもまた重要である。ベネフィットには、ロウ・リスク貨物の迅速な税関手続き、安全性のレベル向上、安全確保の効率化による最適化されたサプライチェーンの費用、組織の評価向上、ビジネス機会の向上、税関手続き要件への理解の向上、AEOと税関のコミュニケーション向上が含まれる。
 
 国際サプライチェーンの網の目に沿って活動する多くの民間企業は、既に既存の国際的な安全確保の要件を満たしていなければならない、及び/又は、税関当局の懸念に応える内部セキュリティ計画を実施していなければならない。「枠組み」の税関と民間とのパートナーシップの柱におけるシステムは、国境を越える貿易に共通して関係する手続きを円滑化するために情報技術を使用し、資格を満たす輸入者、輸出者、通関業者、フォワーダー、運送業者及びその他のサービス事業者には特別なベネフィットを与えるという、税関の所定の手順によるクオリティ認定に基づいていなければならない。
 
 多くの革新的なプログラム4から引用することで、WCO「枠組み」に参加する税関当局及び国際貿易民間業界は、柱25を標準化する。
 
4 これらのプログラムは、特に、改正京都規約、スウェーデンのStair Sec Programme、カナダのPartners in Protection(PIP)、オーストラリアのFrontline and Accredited Client Programme、アメリカのC-TPAT、ニュージーランドのSecure Exports Partnership(SEP)及びFront Line Programme、WCOビジネスパートナーシップ・グループ、WCO ISCMガイドラインを含む。
5 「基準の枠組み」柱2にかかる技術的事項は、附属書2に提示されている。
 
3.4 柱2 基準
基準1−パートナーシップ
 国際貿易サプライチェーンに係わっている認定された経済関連業者は、彼らの内部の方針及び手続きが、仕向地において税関管理から解放されるまでの間、積荷及びコンテナーを危険にさらすことに対する十分な予防措置を提供していることを確保するため、事前に決定した安全確保の基準及びベスト・プラクティスに照らして測られる、自己評価プロセスに従事する。
 
基準2−安全確保
 認定された経済関連業者は、事前に決定された安全確保のベスト・プラクティスを、既存の民間のプラクティスに組み入れる。
 
基準3−認定
 税関当局は、貿易業界の代表と共に、認定された経済関連業者という地位を通じて民間へインセンティブを与える認証プロセス又はクオリティ認定手続きを作成する。
 
基準4−テクノロジー
 全ての者は、近代的科学技術の円滑な使用を促進することによって貨物とコンテナーの規律を維持する。
 
基準5−コミュニケーション
 税関当局は、最低限の安全確保のための基準及びサプライチェーンの安全確保のためのベスト・プラクティスを促進するために、税関と民間とのパートナーシップ・プログラムを定期的に更新する。
 
基準6−円滑化
 税関当局は、税関領域から生じ、通過する国際貿易サプライチェーンの安全確保及び円滑化を最大化するために、認定された経済関連業者と協力的に作業を行う。
 
4. 附属書 1
附属書1−WCO「枠組み」
税関相互の協力
柱1にかかる技術的事項 6
 
1. 基準1−統合されたサプライチェーン管理
 統合されたサプライチェーン管理に関するWCO税関ガイドライン(ISCMガイドライン)に概説されているように、税関当局は、統合された税関管理手続きに従うべき。
 
1.1 範囲
 この統合された税関管理手続きの実施は、安全リスク評価目的のために税関当局が、輸出者〔1.3.1参照〕および運送者〔1.3.2参照〕によるデータの事前電子提出を要求することを認める適切な法的権限を必要とする。加えて、統合された税関管理手続きは、全般的な安全と引渡し過程を強化するためのリスク評価と税関管理における税関当局間の越境協力を含むものであり、法的基礎を必要とするものである。これらの要件は共に、WCOによって開発された文書によって支援される:税関情報の収集と送信にかかる国内法制開発ガイドライン、モデル二国間協定及び税関相互支援条約(ヨハネスブルグ条約)。本協力の一環として、税関当局は、監視結果の相互認証や認定された経済関連業者のプログラムに合意するべきである。
 
1.2 一般管理措置
1.2.1 税関管理
 改正京都規約(RKC)7は一般附属書(標準規定6.1)において、税関領域に出入りする全ての物品(運送手段を含む。)は、税関管理の対象となることを規定している。基準1の目的達成のためには、貨物がコンテナーや運送手段に積込まれてから、税関管理下から解放されるまでの間、貨物の規律が確保されていることが必要である。
 
6 本技術的事項は、編集上の追加や変更を加えた上、ISCMガイドラインより直接引用している。
7 未だ発効に至っていない。2005年6月現在発効に必要な40締約国の内38締約国が1973年京都規約の改正を受諾している。
 
1.2.2 リスク評価
 この統合された税関管理チェーンにおいては、安全目的の税関管理とリスク管理は、物品が輸出者によって輸出のために用意された時点で開始され、貨物の規律の継続的な検証を通し、不必要な管理の重複を避ける、継続的な共有のプロセスである。WCO世界情報戦略の文脈内で実施されてきた作業に考慮しつつ、このような監視の相互認証を可能にするため、税関は、税関データの交換のみならず、共通管理とリスク管理基準、情報とリスクプロファイルの共有に合意するべきである。このような合意は、基準の遵守を監督する共同監視又は品質管理手続きの可能性を見越しているべきである。
 
1.2.3 出発地における管理
 出発地税関官署はサプライチェーンにおける貨物の確認と認定されていない干渉を検知するために必要な全ての行動を取らなければならない。海上コンテナー貨物について、そのようなスクリーニング、リスク評価及び行動は全て、コンテナーを船舶に積込む前に行われるべきである。ISPSコード(b1630-37)は港湾施設においてとられるべき措置について広く概説している。加えて、サプライチェーン上の税関当局は、とりわけハイ・リスク貨物にかかる税関データ、管理結果、到着通知の交換のために電子メッセージシステムの使用に合意するべきである。必要とあらば、税関当局は自身の法的権限を変更し、ハイ・リスク貨物を十分に検査出来るようにするべきである。
 
1.2.4 シール
 サプライチェーンの安全確保と統合された税関管理チェーンのために、とりわけコンテナー積込から仕向地において税関管理から解放されるまでの移動の安全を確保するため、税関は、改正京都規約一般附属書第6章にかかる改正ガイドラインに詳述されているように、シール規律プログラムを適用するべきである。このようなシール規律プログラムは、ISO/PAS 17712に規定されている高安全メカニカルシールの使用に基づいて、形態上の変更のような重要なポイントにおける取付具の記録や変更、シール規律の検証にかかる手続きを含むべきである。
 
 更に税関は、サプライチェーンにおけるコンテナーの規律の確保を支援するテクノロジーの自発的使用を促進するべきである。
 
1.2.5 単一貨物識別符号(UCR)
 税関当局はWCOのUCR勧告及びガイドラインを適用するべきである。
 
1.3 データ提出
1.3.1 輸出物品申告
 輸出者又はその代理人は、事前電子輸出物品申告書を、貨物が輸出に使用される運送手段又はコンテナーに積込まれる前に輸出地税関に提出しなければならない。セキュリティ目的としては、税関は、事前輸出物品申告として、以下に列挙されたもの以上のものを含むことを要求するべきではない。
 
 輸出者は事前輸出物品申告書を税関に提出したことを文書で、望むべくは電子的に運送者に伝達しなければならない。輸出物品申告書が不完全又は簡易申告である場合には、国内法に規定されている事後の段階で貿易統計収集のような、その他の目的のために補完申告によって引続き処理され得る。
 
番号 WCO認識番号 名前 説明
1


又は
042 輸出者(コード) 輸出申告をなし又はその者の代理で申告をなし、申告が受理される段階でその物品の所有者であり又はそれらに対して同様の処分権を有している者の氏名、住所を特定。
041 輸出者(コードが無い場合) 輸出申告をなし又はその者の代理で申告をなし、申告が受理される段階でその物品の所有者であり又はそれらに対して同様の処分権を有している者の氏名〔及び住所〕。
2 072 荷送人(コード、輸出者と異なる場合) 運送依頼者による運送契約に規定されている、物品を送る者を特定。
071 荷送人(コードが無い場合) 運送依頼者による運送契約に規定されている、物品を送る者の名前〔及び住所〕。
3 050 運送者番号 指定地点間の物品の運送を行う者を特定。
049 運送者氏名(番号が無い場合) 指定地点間の物品の運送を行う者の氏名〔及び住所〕。
4


又は
040 輸入者(コード) 輸入申告をなす者又は輸入申告をなすその者の代理の通関業者やその他の認定された者を特定。これは物品の所有者又は物品が送られる者を含む。
039 輸入者(コードが無い場合) 輸入申告をなす者又は輸入申告をなすその者の代理の通関業者やその他の認定された者の氏名〔及び住所〕。これは物品の所有者又は物品が送られる者を含む。
5 052 荷受人(コード、輸入者と異なる場合) 物品が送られる者の識別。
051 荷受人(コードが無い場合) 物品が送られる者の名前〔及び住所〕。
6 058 通知先(コード) 通知されるべき者の特定。
057 通知先(コードがない場合) 通知されるべき者の名前〔及び住所〕。
7 034 配送先、輸出者や荷受人のそれと異なる場合 物品の配送先住所。国内法又は国内要求事項によって求められる、住所、地域及び/又は国名。
8 064 経由国、知りうる限り 仕出国から最終目的地までの間に、物品又は乗客が通過した国の特定。
9 061 代理人番号、適用可能な場合 他者を代行する権限を有する者の特定。
060 代理人 他者を代行する権限を有する者の名前〔及び住所〕。
10 145 HS番号(税関) 税関、運送、統計その他規則的な目的のために、物品の形状を特定するコード(一般名称)。
137 品名(コードが無い場合) 税関、統計、運送目的のための特定に十分な、物品の性質の平易な説明。
11 143 危険物識別コード、適用可能な場合 国連危険物識別コード(UNDG)は、最も一般的に運送される危険物のリストに含まれている物質や物品に対して国連において割当てられている単一通し番号。
12 141 貨物の形状 商品の包装の形状を特定するコード。
144 梱包の数 包装を解かない限り分割することが出来ないように包装されている商品の個数。
13 131/136 総重量 包装を含み、申告のための運送者の機器を除く物品の総重量。
14 159 コンテナー番号、コンテナー詰めされておりかつ可能な場合 機器、例えばコンテナー、ユニット積込み機器を特定するマーク(文字及び/又は数字)。
152 コンテナーのサイズ及び型 特性を特定するコード、すなわち、運送器具のサイズや形状。
15 165 シール番号(適用可能な場合) 運送機器に取り付けられたシールの識別番号。
16 109/135 全仕入書額(含通貨、コード) 一つの申告書で申告された全ての仕入書の金額の総計。
17 016 単一貨物識別番号 輸出入のための物品に割当てられた単一番号。
 
1.3.2 貨物申告
 運送者又はその代理人は、事前電子貨物申告を輸出地税関及び/又は輸入地税関に提出しなければならない。海上コンテナー貨物については、事前電子貨物申告は貨物/コンテナーが船舶に積込まれる前に提出されるべき。その他全ての運送手段と貨物については、運送手段が輸出入地の税関官署に到着する前に提出されるべき。セキュリティ目的としては、税関は、以下に列挙されたもの以上のものを要求するべきではない。
 
 このような事前貨物申告は、国内法に規定されている補完貨物申告によって引続き処理され得る。
 
番号 WCO認識番号 名前 説明
1 070 積出港(コード) 物品が運送手段に積込まれた海港、空港、貨物ターミナル、鉄道駅又はその他の場所を特定。
069 積出港(コードが無い場合) 物品が運送手段に積込まれた海港、空港、貨物ターミナル、鉄道駅又はその他の場所の名前。
2 050 運送人(コード) 指定地点間の物品の運送を行う者を特定。
049 運送人(コードが無い場合) 指定地点間の物品の運送を行う者の名前〔及び住所〕。
3 159 コンテナー番号、コンテナー詰めされている場合 機器、例えばコンテナー、ユニット積込み機器を特定するマーク(文字及び/又は数字)。
152 コンテナーのサイズ及び型、コンテナー詰めされている場合 特性を特定するコード、すなわち、運送機器のサイズや形状。
4 165 シール番号(適用可能な場合) 運送機器に取り付けられたシールの識別番号。
5 160 税関領域通過の際の運送手段 越境の際に使用された運送手段を特定する名称。
175 税関領域通過の際の運送手段の国籍 越境の際に使用された運送手段の国籍コード。
6 149 運送参照番号 運送手段の航路を特定、例えば船舶番号、フライト番号、トリップ番号。
7 098 運送料支払方法等 運送費支払い手段を特定するコード。
8 047 仕出地税関官署(コード) 物品が出発する場所又は出発する予定である税関領域の税関を特定。
9 085 第一到着港(コード) 最初の到着地を特定。海港、空港、陸上国境ポスト。
10 064 経由国(コード、積込前に知り得る限り) 仕出国から最終目的地までの間に、物品又は乗客が通過した国を特定。
11 172 税関領域第一到着港到着予定日時(コード) 最初の到着空港、陸上国境ポスト及び海港における運送手段の到着の日時/予定日時のコード。
12 138 貨物簡易説明 一般名称のみによる、運送手段の貨物の平易な説明。
13 016 単一貨物識別番号 輸出入のための物品に割当てられた単一番号。
 
1.3.3 輸入物品申告
 輸入者又はその代理人は、事前電子輸入物品申告を運送手段が最初の税関官署に到着する前に輸入地税関に提出しなければならない。セキュリティ目的としては、税関は、1.3.1に列挙されたもの以上のものを要求するべきではない。輸入物品申告が不完全又は簡易申告の場合、国内法に規定されている事後の段階で徴税計算又は貿易統計収集のような他の目的のために補完申告によって引続き処理され得る。認定された貿易サプライチェーン(1.4.2参照)は、輸出と輸入情報の流れを、関係税関によって共有される一つの輸出入申告へと統合する可能性を提供する。
 
1.3.4 ハイ・リスク貨物にかかる情報交換
 統合された税関管理チェーンの一部として、サプライチェーンに関わる税関当局は、とりわけリスク評価を支援し、引渡しを円滑化するためにハイ・リスク貨物にかかる税関間データ交換を検討しなければならない。そのような電子メッセージシステムは、管理結果を含む輸出処理通知や、それに対応する到着通知の交換を含む。
 
 国内法は税関が自身の目的のため収集した情報を他税関に送信することを許可する規定を含まなければならない。もしもそのような規定がない場合、そのような規定を開発し制定しなければならない。税関情報の収集と送信にかかる国内法制開発ガイドラインはそのような規定を開発する基礎として使用され得る。加えて、ヨハネスブルグ条約やモデル二国間協定のような既存のWCO文書はハイ・リスク貨物の情報交換にかかる基礎として機能し得る。
 
1.3.5 「積込み不可」「引渡し不可」通知
 税関は、積込みや引渡しができない貨物のためにのみ通知が発出されるようなシステムを確立するべき。その通知は、リスク評価のために必要なデータの提出後、決められた時間内になされるべき。
 
1.3.6 タイムリミット
 物品及び貨物申告が輸出入地税関に提出されるべき正確な時期は、異なる運送手段に適用される地理的状況、ビジネス手続きの注意深い分析及び民間部門や関係する他の税関当局との協議の後、国内法によって規定されるべきである。税関は、認定された経済関連業者に対して運送手段にかかわらず簡素化された手続きへの平等なアクセスを提供するべきである。しかしながら、最低限の一貫性を確保するために、税関は事前申告の提出について以下よりも早く要求するべきではない。
 
海上
− コンテナー詰め貨物:出発地における荷詰めの24時間前
− バルク/混載貨物:仕向国の最初の港に到着する24時間前
航空
− 短距離輸送:航空機の離陸時
− 長距離輸送:仕向国の最初の空港に到着する4時間前
鉄道
− 仕向国の最初のポートに到着する2時間前
道路
− 仕向国の最初のポートに到着する1時間前。
 
1.3.7 WCOデータモデル
 税関当局は、自身のITシステムについて共同利用が可能でありかつ公開の基準に基づいていることを確保するべきである。この目的のために、税関は輸出入手続きを完了するための最大限のデータセットを規定する、WCOデータモデルを利用するべき。データモデルはまた、関係する貨物及び物品申告にかかる電子メッセージの様式も規定する。WCO税関データモデルは、セキュリティ目的の事前情報として要求され得る、上記1.3.1、1.3.2及び1.3.3に列挙されているデータエレメントを全て含んでいる。
 
1.3.8 シングルウィンドウ
 政府は国際貿易データの継ぎ目のない伝達を促進し、国内及び国際双方のレベルでリスク情報の交換をするため、国際貿易に関わる税関及びその他の政府機関間で協力的取極めを開発するべきである(シングルウィンドウ・コンセプト)。これによって、貿易業者が必要な情報を一元的な窓口となる当局、望ましくは税関に電子的に一度で提出することが可能になる。この観点から、税関は、例えば、インボイスや注文書のような商用文書を輸出入申告書として利用することによって、国際サプライチェーンにおける商用手続きや情報の流れとの緊密な統合を追求するべきである。
 
1.4 認定されたサプライチェーン
1.4.1 認定された経済関連業者
 税関が定める基準を満たす認定された経済関連業者(附属書2参照)は、最小限の情報を提供することにより簡素化された迅速な引渡し手続きへの参加を認められるべきである。この基準は、税関が定める要件の遵守について妥当な成績があり、税関と民間とのパートナーシップ・プログラムの参加者としてサプライチェーン・セキュリティへコミットを示し、商取引きの記録の良好な管理体制を整えていることを含む。税関当局は認定された経済関連業者の身分にかかる相互認証に合意するべきである。
 
1.4.2 認定されたサプライチェーン
 認定されたサプライチェーンとは、国際貿易取引きに携わる全ての業者が物品及び関連する情報を安全に取扱うための具体的基準を遵守することで税関に承認されるというコンセプトである。輸出入のために最小限の情報のみのただ一つの簡素化された申告が必要とされる場合、原産地から仕向地までそのようなチェーンの中を一貫して通る貨物は、統合された越境簡素手続きにより利益を得る。


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