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写真39は大磯漁港の全景です。西湘バイパスが海岸線沿いにあります。大磯漁港でよく定置網が干してありまして、一ケ統と言うんですけれども、その値段は大体5,000万円から1億円ぐらいします。それが西湘海岸では海岸沖に何ヶ統か入っていまして、相模湾では最高に収益を上げている定置網なんです。ですから、そこで「おじさん、どのぐらい取れるの?どういう種が取れるの?」という社会学習に行ったら、教科書を見るんじゃなくて、実際にそこの人から話を聞いたらこれはおもしろいですよ。ほんとうにおもしろい。この前出かけた時には、ここのおじさん、名前は忘れましたが結構いい人で、気さくに話してくれました。

写真40は酒匂川河口です。白っぽく見えているのは砕波帯です。一言是非言いたいことがあります。これは皆さんに言ってもしょうがないのですが、頭の固い人に言いたいのですが、人は空いたスペースがあるとすぐ利用したくなる。人生短いのでどんどんもうけたいと。ところが、波は、あるいは砂は覚えています。自分たちの場がどこであったかを。それで、その線より出しゃばると必ず災害が起こります。それがここです。ここに西湘バイパスが走っていますが、この周辺は海が陸に大きく接近してくる所なのです。この理由は、道路が民家の中を通れず海側に出されたためです。そうしたら道路が砂の動きを邪魔したことによって、道路の一部に大穴が開いたのです。かくして、余裕というか、人間のほうがちょっと控え目にやってくれれば、事なきを得たのです。でも日本では、そこを頑張ってしまうのです。非常に几帳面に仕事をやることによって。

そういう状態は異常事態、ないしはSOSに近い状態だと私自身は思っています。しかし、残念ながらほとんど大多数の日本人は海をあまり見ていませんから、分っていないという気がします。

さきほど説明した相模川河口に戻ります。(写真41)さっき見た相模川の河口です。この写真は1987年5月29日に撮影されたもので長大な砂州がありました。さきほどの空中写真と同じ場所です。ここでは洪水があって砂州に著しい変化が起こりました。砂は生きている、動いているという証拠写真をご覧に入れます。(写真42)1985年7月12日に洪水があって、砂州が切れた状況です。砂州の真ん中が。一般に観察というのは頭にないものは写りません。よく私、皆に写真を撮ってきてと言いますと、風景写真を撮ってくるのです。ところが、やっぱり頭にないものは写らない。例えば、こういう写真を撮ろうと思えば、ここはこういうことが起こるかもしれないという海の現象に対する理解が必要なのです。写真43をご覧ください。砂州の先端が導流堤で伸びてきました。12日後の7月24日。次に、写真44は8月2日です。先端は導流堤を越えて大きく伸びました。

という訳で、砂は生きているのです。そういう状態をつぶさに見て、いろいろ現地を歩き回っているのですが、ちょっとここで話を変えて、アメリカのカリフォルニアの話をします。

写真45はカリフォルニア州の砂漠の中を流れるベンチュラ川にあるダムです。アメリカ人が、どういう思考をしているかというのも、国際的な視点から重要だと思うので、ちょっと見てください。

 

 

 

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